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「よ、」
「米屋さん。」
冬が深まるとある日
彼女は前から見慣れたカチューシャ頭が歩いてくるのを見つけて、ふと立ち止まった。
「なになに？ランク戦？」
「そんなところです。」
「じゃあ俺の相手してよ。」
「いいですよ。」
ラッキー！！と喜ぶ米屋を尻目に止めていた足をまた動かした。
個人ランク戦ブースのあるフロアまではエレベーターで数回上に上がる必要がある。
２人はエレベーターに乗り、小さな世間話をこぼした。
「そういえばもうすぐじゃね？
遠征部隊帰ってくるの。」
「そうですね。」
「そうですねってお前、兄貴帰ってくるのに反応薄くね？」
「･･････。」
別に、あの人はアタシを見てないし。
なんていう心の声は米屋に届くことなく、静かに彼女の心にこだました。
「だっておにーちゃん！！って年齢でもないじゃないですか。」
「ませてんな、中学生。」
「旅行だったらお土産のひとつもねだれたのに。」
「現金なやつかよ。」
チン！と軽快になったベルとともに開くドア
それを降りて、個人ランク戦のフロアに踏み入れると２人に突き刺さる視線の数々。
「･･････。」
「さすが天下の風間さんの妹は人気者ですなぁ。」
「ちがうよ、みんな米屋先輩のことを見てるんですよ。」
「まじ？」
「うそです。」
「しばくぞ！！」
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ゼロラク(プロフ) - 何か主人公が悲しい (2022年8月22日 9時) (
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作者名：名も無き者
| 作成日時：2022年8月20日 22時
