女帝［ワールドトリガー］ (ページ9)

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「辻先輩！

山田先生が体育祭の企画書の締め切り日を明日までにしてほしいって、」

「明日？

締め切りは来週までの予定だったはずだけど。」

ヒュウウウと冷たい風が生徒会室に吹き込む。

カタカタとキーボードを打っていたAの手は止まり、

恐る恐ると言ったように彼女のもとに飛び込んできた後輩は泣きそうな顔で必死に説明していた。

「なんか予算の決算日を間違えていたらしく、

来週では間に合わないから、と。」

「まじなんで山田先生(あんな人)が生徒会担当なの。

企画書明日までに提出してほしかったら、

生徒会担当の教師、去年までの一関先生に変えろって言ってきて。」

なんて後輩に八つ当たりしても仕方ないと、

学校説明会のために作っていたパワーポイントを一度終了させて企画書制作に移った。

その様子を見た後輩は、安堵の表情を浮かべて大きめの声で手伝いを申し出た。

「じゃあ1年が出る種目のルールまとめてくれる？

アタシ2、3年生のやるから。」

「了解です！！」

元気よく自席に戻っていった後輩を見てから、

こめかみを指で揉み解す。

やりたいことがあるときに限って、

仕事が増える原理は一体何なのか。

とりあえず、戦闘センスは抜群なのにそのほかが全然だめなA級1位に似たあの先生に復讐することは、

彼女の中で決まっていた。

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