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『聞こえるか、A。』

「迅さん?」


本部から送られてきた情報を元にC級隊員の人数を確認していたAの耳に、迅の声が届いた。


『今から本部に向かうと思うけど、

その役割を京介と交代してAはその場に残ってくれ。』

「私が人型の相手をするってこと?」

『あぁ、しばらくの間攻撃を凌いでくれ。』

「了解!」


市街地の方にトリオン兵が集まっていく

それを排除しに小南がいなくなったタイミングでAはレイジの方に合流した


「あとは頼んだよきょーすけ!」

「先輩こそ、よろしくお願いします。」

「任せなさいって!」


烏丸や修たちが走り去って行くのを見届けたAは目の前の敵に視線を移す

はっきり対峙したわけではないが、

ふたりともかなりの手練れだということが見ただけでわかった

焦りがない

その余裕が返ってこちら側に焦りをもたらす


『ここで2人とも倒すのはたぶん無理だろう。

京介たちが基地に着くまでの時間稼ぎをする。』

『無理に突っ込むなってことですね。』

『あぁ。』


攻撃手用トリガーから銃手用トリガーに切り替えたAはレイジとともに建物の影から人型近界民を狙う

先程張ったスパイダーを間にし、敵が迂闊に突っ込んでくる気配はないが、

老人近界民のトリガー性能がわからない

レイジにもAにもあまりやりようがなかった


玄界(ミデン)の勇士たちよ。

あなた方の戦いに敬意を表して、

私の前例でお相手しましょう。


星の杖(オルガノン)


ふわっと舞った斬撃に一瞬にして辺りは切り裂かれた




.

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作者名:名もなきもの | 作成日時:2021年2月22日 7時

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