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「ししょー。」

「よー、A。

元気か?」

よしよし、とAの頭を撫でる出水。

Aが他の隊の異性で唯一気を許しているのは、師匠の出水くらいである。


「ししょー、あれできるようになったよ。」

「どれだよ。」

「ボンネット。」

「・・・強化追尾弾(ホーネット)な。」

そう、それ。

と頷くAの頭を出水はもう一度優しく撫でた。


「さすが俺の弟子、物覚えが早いわ。

今度一緒に二宮さんに見せにいこうな。」

「・・・二宮さん、いや。」

「なんで?」

「二宮さん、こわい。」


その答えに菊地原と出水は吹き出した。

Aと二宮は出水経由で何度か会ったことがある。

二宮は特別、Aに対して高圧的な態度をとっているのではないが、

二宮のもともとの顔がもはや高圧的なので仕方がなかった。


「A、大丈夫だ。

二宮さんはジンジャーエールさえあればなんとかなる。」

「・・・たいちょーに飲み物買って帰る、お土産。」

「そこは二宮さんにじゃないのかよ。」

「二宮さん、にはまた、今度。」


自動販売機に体を向けたAのうしろで、

出水が目を見開いていた。




「おい、どうなってんだよ。」

「Aちゃんも変わりたいと思ってるのよ。」

「急変過ぎんだろ。」

「まぁ、風間隊(ぼくたち)のおかげですかね。」

「おまえ、生意気。」



.

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作者名:名も無き者 | 作成日時:2021年2月7日 23時

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