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「お、来たな。」

「え、」


お会計のために受付カウンターに行こうとすると、

特徴的な髪型が目に飛び込んだ。


「黒尾さん、帰ったんじゃ、」

「書類取って、一回家帰って着替えてからまたきた。」

「なんで、?」

「なんでってそりゃ、心配だからじゃねぇの?」


だいぶ顔色良くなったな、

と、大きな手で頬を包み込むと安心したように笑った。


「お、赤くなった。」

「あ、遊ばないでください!!」


反射的に一歩後ろに下がる。

なんて恐ろしい人なんだ。

笑みが破壊級だ。


「じゃあ行くぞ。」

「待ってください!

お会計、」

「もう済ませたから。」


なんて私の手を取り駐車場に出た。


「車なんだけど大丈夫?」

「はい、さっきより気分もだいぶ良くなりましたし、

って!!」

「なに?」


なんか雰囲気に呑まれそうになったけど、

このまま行くと、私黒尾さんの車に乗るってこと!?

さすがにそこまではやばい。


「いや、あの、私電車で帰れるんで!」

「別に遠慮しないでいいから。」

「遠慮とかそういう問題じゃなく、」

「へぇ、柊木さんは電車で帰りたいの?」

「はい!!」


私電車大好きなんで!!

と、訳の分からないことを口走りながらも、

脳ではこれ以上黒尾さんに迷惑をかけない方法を必死に探していた。



.

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Shuka(プロフ) - また次回作も楽しみにしています! (2021年1月18日 7時) (レス) id: e262deccef (このIDを非表示/違反報告)
Shuka(プロフ) - こんにちは。内容、文章の作り方、クロの話し方、主人公の気持ちの書き方等見ていて全て好みでこんなに作品にのめり込める短編は無いなと思うくらいでした。普段長編の方が好きで短編は全く読まないし推しは研磨ですが何故か惹かれ呼んだら素敵な作者様に出会えました。 (2021年1月18日 7時) (レス) id: e262deccef (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜色(プロフ) - 面白そうです。頑張ってください! (2021年1月17日 9時) (レス) id: de5cad5b88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名も無き者 | 作成日時:2021年1月17日 8時

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