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「ちょ、勝手に!」

「お嬢さん馬鹿なの?

それともドM?」

「な、に、」

先程まで薄い笑みを浮かべていたお兄さんは真剣な顔になっていた。

いきなり罵倒された意味がわからないし、

電話を勝手に変わられた意味もわからない。


「そんな血の気の引いた真っ青な顔で仕事なんかいってどうするんデスカ。

自分ではわかんないかもしれないけど、お嬢さんの顔色だいぶやばいよ。」

な、赤葦?とおじさんを拘束してくれている男の人の方へ同意を求めると、その人も頷いた。


「顔真っ青通り越して真っ白ですよ。」

「そんなに、ですか?」

「そんなに、ですね。」


その肯定に少しショックを受けた。


「とりあえず駅員さんと話をして警察呼ぼう。」

「あの、警察までは、」

「じゃあその話も含めて駅員室で話をしよう。

お嬢さん立ってるだけでも辛いでしょ?」

「あの、私もうお嬢さんって歳じゃないんですけど。」


先程から気になっていたその呼び名。

私はもう25だというのにさすがにお嬢さんは痛い。


「あー、悪い。

名前聞いてなかったからさ。」

「柊木Aです。

助けていただき本当にありがとうございます。」

「黒尾鉄朗です。」

「赤葦京治です。」


ペコリ、ペコリ、と3人で頭を下げて、

それじゃあ行きましょう、と前に踏み出した。


依然として黒尾さんの手は私のお腹にまわったままである。



.

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Shuka(プロフ) - また次回作も楽しみにしています! (2021年1月18日 7時) (レス) id: e262deccef (このIDを非表示/違反報告)
Shuka(プロフ) - こんにちは。内容、文章の作り方、クロの話し方、主人公の気持ちの書き方等見ていて全て好みでこんなに作品にのめり込める短編は無いなと思うくらいでした。普段長編の方が好きで短編は全く読まないし推しは研磨ですが何故か惹かれ呼んだら素敵な作者様に出会えました。 (2021年1月18日 7時) (レス) id: e262deccef (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜色(プロフ) - 面白そうです。頑張ってください! (2021年1月17日 9時) (レス) id: de5cad5b88 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名も無き者 | 作成日時:2021年1月17日 8時

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