Monochrome［ハイキュー!!］

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このあと外せない約束があるのに、資料作りが終わらない。

という簡単なことを永遠にだらだら説明されてあと2分長く話されたら手が出るところだった。


「それで、」

「手伝ってほしいんです！！

柊木さん資料作りめっちゃうまいじゃないですか！！」


お願いします！

と懸命に頭を下げる佐野さんを見て思わず首を縦に振ってしまった。


それを見た佐野さんは全男性が思わず貢いでしまいたくなるような極上の笑みを残して帰ってしまった。

そう、" 帰って "しまったのだ。

佐野さん、それは手伝ってもらうとは言わないんだよ。

押し付けるって言うんだよ。


なんていない本人に心の中で突っ込んで黙々と手を動かす。


もう何十年も働くベテランお局さまからは、

「柊木さんまた残業？

好きねぇ。

もっと効率よく仕事しないと出世できないわよ。」

なんてもはや悪口になりかけている皮肉をいただいた。

うっせぇ、何十年も働いてて一個も出世してない窓際族め。


帰りたい。

ブルーライトで目の奥が痛いし、

そのせいで頭が痛くなって、吐き気がしてくる。


こんなときに限ってスマホのメモリーからは元カレと付き合っていた写真が出てくる。

まだ消してなかったのか、

と写真のアプリを出して元カレの写真を全て捨てる。



「ねぇ、彼女さんとは別れたの？」

「別れたよ。

アイツ仕事ばっかりでつまんねぇんだよな。」

「だいちゃんひどーい。」


もともと男運がある方ではなかった。

友だち曰く私はダメンズ製造機ならしい。

それでも奴とは2年くらい続いたし、

上京してきて慣れない環境で働く私を精神的によく支えてくれていたと思う。

しかし１年経った頃に彼は仕事を辞めた。

家賃を滞納するようになった。

お小遣いをねだるようになった。


そして、丁度２年の記念日に信じたくないような会話を聞いた。




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