【歌い手】男装海賊少女は黄を望む

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今回俺たちが調査をする黒牙国は街道を挟んだ両側に街が作られていた




国といっても囲われているわけではなく、あえていうなら山に国境がある感じだった




とりあえず左右に道があるため2:2に分かれて調査をすることに




『じゃあグッパーで分かれるのにしよ』




スタンガン「グッパーでほいっ」




結果俺とセンラ、スタンと志麻になった




志麻「俺たちは左に行く。Aとセンラは右に」




センラ「…はい」




……センラの顔が暗かった




どうしてだろうか




『センラ？具合悪いか？』




センラ「あ、んん。何でもないで！」




『……そう？じゃあ帰りは真っ直ぐ船でいいよな？』




スタンガン「うん」




志麻「……じゃ、そういうことで」




ヒラヒラと手を振って解散した




『さて、行くか』




センラ「せやね」




ぶらぶらと辺りを観察しながら歩き回る




途中で甘味処によって小腹を満たした




『お邪魔しましたー』




看板娘の女の子可愛かった←




うん




あ、団子帰りに買って帰ろうかな？




……ただ、街が全体的に暗い




何故？




少し脇道に入っても調査をする




すると




センラ「……ぁ」




『ん、どうした？セン…ラ……』




センラが立ち止まる




見ている方を見れば衝撃の光景




『なんだよ、あれ……』




「さあ次だ！！歳は15！！躾も完璧だ！10メルから！！」




「100メルだ！！」




「130メル！！」




「200メル！！」




「……他にいないか？ではそこのダンディーな方のお買い上げだ！！」




少し汚れた白い服を着た女の子が、売られていた




脇には同じような服の男女がたくさんいる




女の子と商人らしき男の立つ台の前には大勢の男たち




センラ「……人身売買やよ。1メルは1万。つまりあの子は、200万で買われた。」ｺｿｯ




『っ……』




見ていられなくて、その場をあとにした




さっきの大通りをとぼとぼと歩く




センラ「……A君前、馬車来るから脇避けよ」




『ん、ああ』




センラに言われた方を見ると確かに馬車が向かってきていた




馬車が道の真ん中を通る




何気なくそれを目で追うと




『っあ…』




馬車の後ろ、格子の間から、ボロボロになった服を着た少女たちが見えた




センラ「……あれも、や……っ、」




そう呟いたセンラを見る




『、センラ…？』




センラ「……ぁ、何？」




『……震えてる』

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