【歌い手】男装海賊少女は赤を望む

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ダメ




ここに入ったら、近づいたらダメ




ここにいたくない




ばれてしまう




俺の秘密が




俺の、過去が




だけど、帰るとか言えば理由を言わなくてはいけなくなる




どちらにしろばれてしまうだろう




隠し通さないと




そのためにはまず、彼らに気づかれないようにすること




隠し通せれば、俺はみんなが望む“坂田”でいられる




そのためには……




坂田「なあA」




『ん？』




坂田「頭の布さ、今日の間貸してくれん？」




『え……いいけど……どうして？』




坂田「あー……イメチェンみたいな？でもうらさんとかまーしぃがいるところでやったら絶対笑われるからさ……ええ？」




『ふーん……』




Aは頭の布に手を伸ばして取った




それを俺に差し出す




『ほい。破るなよ〜』




坂田「サンキュ！！安心しといてや！！」




『いや不安しかない。……破ったら買ってもらうからね』




坂田「う、うス……」




嘘ついてごめんね




Aから受け取った布を頭に巻いた




そらる「あ、楽しそう。坂田、俺の伊達眼鏡も貸したげるよ」




坂田「え、いいんですか！？」




そらる「いーよー！！是非壊して新しいの買ってほしい」




96「本音丸出しやん」




ああだめだ




罪悪感が増してく




そらるさんから伊達眼鏡を貰ってつけた




『お、似合ってる。流石顔だけは整ってるだけあるな』




坂田「顔だけってなんやねん」




そうこうしてるうちに見えてきた




あの国への、入り口が




戻ってくるつもりはなかったんだけど




これも、運命ってやつかな……？









うらさんたちを助けてくれた君は、俺のことも、助けてくれる？




＿＿＿＿＿ねえ、A？

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