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「い、つから？」
「今そこ気になる？」
「いや、まぁ、たしかに」
「ずっとって言ったじゃん」
ずっと、か。あの時もあの瞬間も私の事を好意的に思ってくれてたんだと思うと、急に顔があつい。
「…それで」
「ん？」
「お返事…は？」
ほくとくんの伏せてた目が私の方に向いて、少し潤んだ目と合った。あれ、耳真っ赤だ。私たち、もうしっかり大人なのに告白で両者共に赤くなってて可愛いね。
「ほくとくん」
「はい」
私が名前を呼ぶと背筋を伸ばして姿勢を整えるほくとくん。自分のバクバクな心臓の音がとってもうるさい。
「ほくとくんのこと、好きになっちゃいました」
「えっ」
「…え？」
「それってつまり、ちゃんと両思い…？」
自信なさげに問いかけるほくとくんの手を握って
「うん、好き」
ちゃんと真っ直ぐ気持ちを伝えた。
大人になっても自分の気持ちを素直に言葉にするのって、なんだか恥ずかしいしくすぐったいものなのね。全身がぶわっとあつくなる感覚。
「わっ」
急に握っていた手を引かれてほくとくんの腕の中に収まった。ほくとくんに抱きしめられている体勢なことに気づくと、さらにはやくなる鼓動。…でもそれはほくとくんも一緒みたい。
「俺の彼女になってください」
抱きしめられているということは必然的に耳元で聞こえる声に、息が止まりそうなほど緊張してしまったけれど、答えはもう決まってるよ。
「よろしくお願いします」
「なぁんで敬語なのよ」
「そ、そっちだって…！」
反論しようと顔をあげたタイミングで重なる唇。ちゅっと小さな音を立てて顔が離れると、さっきの緊張した表情のほくとくんはもうそこにはいなくて。私を見つめて柔らかく微笑んでいるほくとくんがいた。…甘い、甘すぎる。好き同士って意識したらもう恥ずかしくて目を合わせるのも難しい。
「A、こっち向いて」
「…やだ、なんか恥ずかしくなった」
「あれれ、照れちゃった」
『そんなAも可愛いね』なんて言って今度は頬に軽いキスをする。こんなほくとくん知らないっ！…でも、これからちょっとずつ私の知らないほくとくんも知っていけたらいいな。なんて。
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作者名：ふわり | 作成日時：2023年3月10日 19時
