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｢わかる、だってあの映画のラスト好きすぎて結末知ってるのに毎回泣いちゃうもん｣
｢あの展開は鳥肌もんよ〜。あ、Aに絶対見て欲しい映画あってさあ！｣
二次会ってことでほくとくん家に転がり込んで、映画の話がヒートアップするごとにテーブルには空き缶が並び始めた。ほくとくんも顔がほんのり赤くて、2人とも喋るお口が止まらない。
｢あ、待って、待って、今何時？｣
私の言葉で2人とも時計を確認すると23時を過ぎたところ。
｢さすがに連泊は申し訳なさすぎるから、今日は帰るね！ごちそうさまでした！｣
ソファから立ち上がって空き缶たちの処理をしようとする私に
｢いいじゃん、泊まっていきなよ｣
なんて、帰るの渋っちゃいそうになる言葉をかけるほくとくん。
｢も〜帰らないでのんびりしたくなっちゃうでしょ！今日は帰るね！ほくとくんオススメの映画、次の宅飲みで一緒に見よ！｣
｢遠慮しなくていいのに〜｣
｢う〜ほくとくんに甘やかされる〜ダメになる〜〜｣
終電は23時半なのでテキパキとテーブルの上を片付けながらやりとりをしていた。ほくとくんは『全然そのままでいいよ』と言ってくれるけれど、私が綺麗にしないと気が済まないの！いるでしょ、飲み会で一生テーブルを拭き続ける人。飲むと変にお掃除スイッチがオンになるのよね。
｢いいじゃん、一緒にダメになろ。もっと飲もうよ〜｣
キッチンで洗い物をしていると、ほくとくんが急にバックハグの姿勢で甘えてきた。お酒のせいか全身が温かくて、背中に感じるほくとくんの鼓動がちょっとだけ速くて、耳元に触れるほくとくんの髪の毛がふわふわでくすぐったくて、ちょっと…いや、かなり、わたし緊張してる。
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作者名：ふわり | 作成日時：2023年3月10日 19時
