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『ーーーと判断し、処置しました。』
『…なるほど。それでさっきの拘束というわけか………ぷっ、はは、しっかし派手にやられたのもだねぇ中也君、酷い顔だ。あはは』
『……笑い事じゃないですよ』
「………。」
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き、気まづい…
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ズルズルとビルの中を引きずられ連れてこられたのは最上階。窓が遮光加工されているのか薄暗くだだっ広い部屋で。
私はその中央にぽつんと置かれた椅子に座り
目の前の執務机で優雅にコーヒーを飲む中年の男性と、私を無理やり拉致してきた男の話しをビクビクしながら聞いていた。
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部屋に入ってすぐ教えてくれたけど中年の男性は森さんというらしい。
森さんは雁字搦めにされた私の拘束を解くように言ってくれて…
話の最中、拉致男が首領、首領って連呼してるから多分上司なんだろう。(てか、この組織のトップかもしれない)
拉致男と違って優しそうな雰囲気の人だ。
けどヤグザっていう疑念から抜け出せない私はこの優しそうなひ弱そうなおじさんですら怖い。
隣の拉致男なんてもっと怖くて精神的なダメージで今にも死 にそうだった。
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『A君。』
「ふぇっ!?はいいぃぃ??!」
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突然話しかけられて思いっきり声が上擦ってしまった。森さんがきょとんとしてる。ゔ、ヤバイ…挙動不審ってだけで殺 されたらどうしよう。
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『ははっ、突然連れ出して悪かったね』
「えっ、あ、そんな…」
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連れ出す?人攫いの所業でしたよ?なんて事怖くて言えず当たり障りのない返答をしてしまうチキンな私。
いやだってポロっと出た言葉が気にくわないとかで撃ち殺 されたら嫌じゃんか。
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『今日A君に来てもらったのは私から提案というか、お願いがあってね。』
「はぁ…」
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お願い?なんだなんだ壺か?壺買えってか。あ、それか殺 して売りさばく前に保険に入れとかかな。
私の表情で怪訝に思っているのが伝わったんだろう森さんは、『あぁ何、大した事じゃない。寧ろ君にとって利のある話だと思うのだけどね。』とニコニコ言う。胡散臭いなぁ…
お金無いから壺買えませんって言ったら殺 されるだろうか。なんて考えている私を森さんがくすりと笑って、
目を細めそしてゆっくりと口を開いた
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『君、ポートマフィアの傘下に入る気はないかい?』
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「………へ?」
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作者名:と び ま る 。 | 作成日時:2019年10月10日 0時