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……え？どこに？…
ってまりちゃんが指差したのは目の前の拓弥。
「…は？」
「船津先輩より拓弥の方がイケメンじゃない？
もっと近くの人見てみたら〜？
チャラ男とか彼女持ちばっか追っかけても意味無いじゃん。」
……っ、またまた〜。
まりちゃんったらたしかに拓弥はイケメンだけど、うちらそんなんじゃないし。
っていうかそもそも…
「えーでも拓弥好きな子いるんでしょー？
それにもう拓弥の顔は飽きるくらい見てるしな、あたし。」
「…ﾁｯ、おまえ…」
「わっ、舌打ち！！」
「俺だってお前の顔見飽きてんだよ」
「ちょっとー、なに怒ってんの！」
そう、拓弥にはどうも好きな子がいるらしい。
誰かは教えてくれないんだけど。
一年のときからずっと、本人と佑亮が言ってる。
佑亮は知ってるみたいなんだけどね…。
「僕もそのへんのチャラ男より拓弥のほうが絶対いいよ！
Aちゃんは男見る目ないと思う」
「えっ！佑亮まで！
ひっど！！」
またしてもみんなにバカにされてしまった。
ほんとなんでみんなあたしのこと見る目ないとかバカとかしょうがないとかさぁ…。
あたしは別に今のままで楽しいし、これでいいんだってば。
イケメンウォッチングのなにがいけないの〜…
その時渡り廊下を三年の集団が通った。
移動教室なのか音楽の教科書を抱えて、こっちをみんなジロジロ見てる。
とくに女子たち。
「きゃー！あれ草川くんじゃない！？」
「うっわーやっぱ超かっこいい！
きゃっ、こっち見た！！」
なにやら拓弥のこと見て騒いでる感じた。
拓弥はうちの学校でも結構人気あるほうで。
特に先輩からの人気がハンパない。
まぁでも拓弥って顔キレイだしスタイルいいしおしゃれだし、
パッと見ても目を引くくらいのルックスであることは間違いないけど…
「あら騒がれてるよ〜草川クン。
相変わらず人気あるね〜」
「うるせ、」
こういうのを見向きもしない。
愛想笑いもしない。
むしろ迷惑そうにしちゃってさ。
社交辞令とかファンサービスみたいな精神はないのかなぁって思うんだけど。
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作者名：ポプ子 | 作成日時：2017年10月9日 0時
