あめふり坊主【赤】

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「え……」



「好きなんですっ！」



「あ、うん

それはわかってんけど」



「好きです！」




「おん、大丈夫や

伝わっとる」




「す、すすきです！」




「すすき？！笑」








ふははってお腹を抱えて笑い出すお兄さん




やばい……焦りすぎて自分の想いが爆発してしまった……









「ご、ごめんなさい！」



「なんで？めっちゃ君おもろしねんけど笑」



「お、おおおもしろくないです！」





それがおもろいねんーって笑いが止まらない彼



呼吸を整えて、またにこっと笑顔になると



スマホを取り出した







「ん、交換しよか」


「……えっ？！」


「俺、今日このあと予備校あるから無理やねんけど

これ拾ってくれたお礼もしたいしさ」





連絡するから待っててや






そう言われて、どきどきしながら私もスマホを出す



バーコードの読み取りは早くて、私のスマホの画面に






゛ 重岡 大毅 ゛





の文字






・








「俺、桜台高校３年の重岡大毅

好きに呼んでな」


「あ、やっぱり先輩……」


「Aちゃんは高校２年？」


「な、なな名前！！」


「読み方間違っとるかな？」

「あって、ます！合ってます！

わ、私、北条高校２年の瀬戸内 A、です」

「ん、可愛い名前」






じゃあ俺行くなって頭をぽんぽん



階段を登りながら私に手を振ってくれる






頭ぽんぽんと「可愛い名前」と呟かれたことに対しての衝撃がでかくて、ふりかえせなかったけど







今、とんでもなく幸せな状況にいるということだけ







からっぽの脳みそが理解したらしい

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