【d!】どっちもお断りだっつってんだろ【相.棒.組】 (ページ27)

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２５話ページ27

・ut side

開いた窓から壁伝いに回ってきたトントンからAちゃんが僕を庇って矢を受けたところで視界一面が白で埋め尽くされる。

畜生。全然気付かんかった。

「A殺った、大先生トーテム持ってる！！」

「あ、ナイス？トントンさんが白か」

「トントンてめぇ…ッ！」

よくもAちゃんを！！

ゾムから人狼奪ってここまで順調やったのに！あの子が死んだらご主人様って呼んでもらえんやん！！！

「あー、煙玉のせいで見失った。ごめん」

「いや、ナイスナイス。一人消せたのはデカいです。じゃあ相方はコネシマさんで確定ですね」

「確定やなぁ」

エーミールが死んだ時、俺らは何もしていなかった。シッマが相方なのは間違いない。まさか本当に人狼とは思わんかったけど。

しかし戦力差がなぁ、トントンもショッピ君もガバエイムの俺らより圧倒的に強い。どうにかして奴らの隙をつけないかと廊下を歩きながら思考を巡らせる。

と、そこで部屋から出てきたコネシマと偶然にも顔を合わせた。咄嗟に構えてしまった弓を下ろして、考える。固まって行動すべきか？いや、一網打尽にされるのは避けたいし俺もコイツも一人の方が動きやすい。ふと、コイツが持っているアイテムに目が止まった。

「(……バイバイトロツキーか)」

ならば、と俺はトーテムを投げた。

コネシマは一瞬驚いた顔をしたが、俺の意図を汲んでトーテムを拾って代わりに停電の書をくれた。律儀な奴や。

そのまま俺達は互いにすれ違う。俺らが共闘なんかしても底が知れてんのやから賭けに出るしかない。

最近のお前の近接戦最強説を俺は信じてるぞ、相棒。

＊shp side

残る人狼を狩るために館内を徘徊する。こんな時しかあのクソ先輩方に灸を据える機会はない。幼馴染みの壁に勝てるとは思わんけど、ゲームの中まで独占されるのは納得がいかへん。絶対殺る。

不意に視線を感じて周りを見渡しても人影はない。警戒しながら階段を上がって屋上に出た瞬間、顔面スレスレに矢が飛んできた。

「ッ、コネシマ______」

反射的に矢が飛んできた方向に撃ち返す。しかし命中する筈だった俺の矢はトーテムに防がれた。

なんで、コイツが。

ニィッと口角を上げたヤツの矢に穿たれ、視界が赤く染まる。相打ちやろ。トーテムなんかずるいぞ。

「……シッマ？」

「うわぁ…相打ちした臭え」

違う。トントンさん、アイツは生きてる！

伝えたかった言葉は声にならなかった。