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優しい薬草の香りに鼻をくすぐられて目を開くと、見覚えのある天井が見えた。

「ここは…保健室…?」

「あっ、Aちゃん。起きたのかい?」

伊作先輩は薬草をすり潰す手を止めて、私の目を覗き込んで来た。

「私…あの後どうなって…?」

そう呟くと、伊作先輩は保健室の壁の方を見た。
その視線の先では五年生の皆が寝息を立てていた。

「彼らがここまで連れて来てくれたんだよ。“Aを助けてください…!”って死にそうな顔をしてね。」

彼らの忍び服は所々破れ、身体にはいくつもの傷跡が見える。

「A…。」

竹谷くんが私の名前を呟いた。
寝言だろうか。

私は包帯で巻かれた脚を引きずりながら、彼らの元に近寄った。
傷ついた彼らの手をゆっくりと握る。

「みんな…ありがとう。」

「…ん、A…?」

私の声が聞こえたのか、竹谷くんが目を開いた。
寝ぼけたような目がみるみるうちに大きく見開かれていく。

「A!無事だったのか!?」

「わぁっ!」

急に飛びつかれ、思わずビックリしてしまう。
私達の大声で目が覚めたのか、いつの間にか他の皆も起きていた。

「私は無事だよ。だいじょうb…」

言い終わらないうちに強い力で引き寄せられた。

「本当に良かった…。」

私は竹谷くんに抱き締められていたのだ。

「あっ、八左ヱ門だけズル〜イ。」

尾浜くんに冷やかされて竹谷くんが咄嗟に手を離す。

「ご、ごめん。」

「ううん。気にしないで。」

彼は耳まで真っ赤になっていた。

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作品ジャンル:アニメ
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nayu(プロフ) - 白狐さん» コメントありがとうございます!了解です!順次、作成していきます(`・ω・´)ゞ (8月5日 7時) (レス) id: 754bc10f42 (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - お話を読んで面白かったです、連日の猛暑が続いてますので熱中症などにお気をつけてください。それであの落ち着いたらでいいですので、富松作兵衛を中心とした三年ろ組の絡んだお話が読みたいです。 (8月4日 19時) (レス) @page10 id: 9822cc9766 (このIDを非表示/違反報告)
nayu(プロフ) - 夜桜ほたるさん» コメントありがとうございます🥰了解です!五年生編が終わり次第、六年生多めの話も作りたいと思います。 (7月31日 22時) (レス) id: b0b40a7cac (このIDを非表示/違反報告)
夜桜ほたる - すごく面白いです!!!更新楽しみにしてます〜!!・・・・できれば6年生のお話が見たいです!お願いします〜 (7月31日 20時) (レス) @page8 id: 1600cbbb8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nayu | 作成日時:2023年7月24日 17時

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