五年い組の美人さんは陰陽師でした!?〜二ノ段〜

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俺は五年い組の久々知兵助。
翌日、Aが学園生活に復帰した。
彼女が目を覚ましたことは、またたく間に学園中に広がった。

「Aさん、体調は大丈夫?」

五年い組の同級生がAに話しかける。

「大丈夫ですよ。ありがとうございます。」

そう言って彼女は、ニコッと微笑んだ。

「…!」

たちまち同級生の目がハートになる。
周りの奴らも彼女の笑顔の威力にすっかりやられてしまったようだ。

正直、俺もビックリした。
最近まで、話し掛けられる度に睨みつけていた彼女とは全く違っていたからだ。

「今度の休日、僕と一緒に団子屋へ…。」

「いや、俺と一緒にあんみつ屋へ!」

「僕も!」「俺も!」

皆が彼女の元に詰め寄る。

「え〜っと…。」

肝心の本人は戸惑いを隠しきれない様子だ。

「ストップ〜!」

誰かが大声でそう言うと、彼女の肩に手を置いた。

「Aは俺達との約束がある。なぁ、兵助?」

その誰かというのは、同じく五年い組の尾浜勘右衛門だ。

「えっ!ああ…。」

急に自分の名前が出てビックリする。

「というわけで…」

勘右衛門は同級生達の元に歩いて行くと、低い声で言った。

「…Aは俺達のだから。…」

そう言い終えると、パチっとウインクをして、戻って行った。

それを聞いて他の奴らも諦めたのだろう。
そそくさと自分の席に戻って行った。

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