【アイナナ】可愛い路線で売ってます【男主】

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「いただきます！」









弁当を開くと、昨日の残り物を適当に詰めた物。



……やばいな。


まさか、環さんや一織さんと食べると思っていなかったからいつも通り茶色ばっかなんだけど。




もっと可愛く作ればよかった……。
いや、男子高校生にはこんなん普通だろ。





この二人もそんな感じ……









『えっ、かわいい』

「だろ？王様プリン！多分こういう細かいのはヤマさんが作った」

『凄いですね……。かわいい』









一織さんが咳き込む。


何があったのか。大体、俺がこの人と会う時情緒不安定な時だからな。

楽屋挨拶の時は陸さんの口を凄い勢いで塞いていたし。









『一織さんは、うさぎの形のりんご入ってますね！』

「……ああ、これは七瀬さんが作ったのでしょう。わざわざメモにりんごと書く人はあの人以外ないですからね」









IDOLiSH7のメンバーが作っているんだな。


しかも、大和さんは確かにリーダーらしく面倒見が良さそうだけど、こんな風に細かいものを作る印象は無かった。









「Aっちは、どんな弁当？」

『い、いや、自分のものは本当に適当で、見ない方が良いです！！』

「えー、Aっちケチ」









ケチとかそういう問題じゃないんだ。
俺のキャラ設定がおかしくなる。簡単に言えばキャラ崩壊というものだろう。









『そういえば、一織さんから陸さんにセンター戻るらしいですね！ライブも凄かったとか』

「ライブに来たんですか？」

『いえ、陸さんからお聞きしました』









そう言うと、「あの人はまた……」と呆れた顔をした。


え、聞いてはいけない情報だったのか

いや、でも陸さんが自分から語っていたから俺が悪い訳では無いと思うけど……。









「最近、頻繁にラビチャを送っているらしいですが、嫌でしたら無視していいですよ」

『いえいえ！寧ろ、俺なんかにわざわざ話しかけて下さって逆に申し訳ないくらいです』

「貴方ってよく俺なんかって言いますよね」

『……確かに、そうかもしれませんね。すみません！』









両手を合わせて首を傾げ謝る。

女のあざといポーズ特集の雑誌を見て身につけた技だ。



一織さんの言う通り、自分に自信が無いことは自覚済みだ。

だって、女みたいな服着てるのに野郎みたいな性格してる奴に自信をつけるところがない。





なんか、そういうの考えたらどんどん悪い方に考えてしまうから一旦あの衣装等のことは記憶から消そう。


目を強く閉じてから、笑顔を作りウインナーを食べた。







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