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呆れた表情で口を尖らせる逆先くん。
正に正論だ。
でも、君は元々劇に乗り気でもないし直ぐ帰るのかと思っていた。こんな倉庫に籠る俺を何の情報無しに見つけるなんて幾ら本当の魔法使いだとしても難しい。
困惑したままの俺に対して、彼は手を差し伸べた。
「ほラ、早く行くヨ」
『でも、衣装とか、メイクも』
「衣装ハ汚れていたけド、着れるヨ」
渡された衣装は下の方は墨汁で黒に染められ純白のドレスが台無しだった。ガラスの靴は割られて破片だけ。
折角、斎宮くんが作ってくれたのに。
でも、袖を通せる事が不幸中の幸いか。
『……今から、間に合うかな』
「何諦めてるノ。君ハ今シンデレラ。物語のシンデレラは舞踏会へ行く夢を一度も諦めなかったしどん底の状況でも望み続けタ」
逆先くんの口から出た言葉を心の中で暗唱した。俺はシンデレラ。そう、俺が書いたストーリーのシンデレラ。一度たりとも諦めず地獄のような状況を覆すことを信じていた。
……そうか。
何を諦めてるんだ。今、魔法をかけて貰えて衣装も得られた。例えガラスの靴なんか無くても、舞踏会へ行く夢をこんな所で諦めてどうする。
ドレスを破く。
目の前の逆先くんは目を丸くした。
「ちョ、何してるノ！？」
『墨汁が着いた部分を破ってミニドレスみたいにすればいい』
靴は仕方ないから裸足で行こう。
髪とメイクはボロボロだがもう気にしている暇はない。
『ありがとう。魔法使いさん。十二時までには帰ってきます』
涙を拭って微笑む。
そして全力で走った。
「……全ク、どんな勇ましいお姫様なんダ」
呆れながらも、思わず口角が上がる。
今は少しでも彼に祝福が訪れるように呪文を唱えた。
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どぽぽ(プロフ) - レモンさん» こちらも読んで頂けるとは…！一次創作だけでなく二次創作まで読んで頂けるなんて本っ当に嬉しいです✨日々樹はあんスタの中でも個性強めですが良いですよね！レモン様の優しいコメントに心が染みます……😭応援ありがとうございます！ (2023年2月25日 23時) (
レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - こちらのお話もすごく良かったです！日々樹………私あんスタまだハマりたてmusic勢のにわかですが、日々樹良いなと思い始めました！どぽぽ様いつも素晴らしい作品ありがとうございます！別作品をいくつか掛け持ちされてますが頑張ってくださいね(*^^*)応援してます！ (2023年2月25日 23時) (レス) id: 069557edb4 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ(プロフ) - 田中奏天さん» 結構長いお話なのに一気見お疲れ様です！！日々樹渉良いですよねー！日々樹渉メインの小説も今後増えたら良いですよね(*´ `*)コメントありがとうございます！ (2022年7月5日 23時) (レス) @page50 id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
田中奏天 - コメント失礼します。一気に全て読みましたが、とてもすごいと思いました。私もこれくらい語彙力がほしいです(笑)日々樹渉好きなのでほんと嬉しかったです。 (2022年7月5日 22時) (レス) @page50 id: 783bc2bad6 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ(プロフ) - 結桜さん» 当初から！？長い間ありがとうございます！！私もこの作品を書く時間が楽しかった為完結するのは嬉しいけれど名残惜しい気持ちがあります(><)最後まで楽しんで頂けて光栄です！素敵な言葉ありがとうございます。こちらこそ、本当に今までありがとうございました！ (2021年2月22日 0時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
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