裏話。 ページ39
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私は、彼の言葉に実は気付いていた。
例え氷漬けにされていようが、意思はあった。
私には未練があるらしく、本当ならばゴーストになるのだが、彼の魔法で封じられているせいで、動けなかった。
目は瞑っているから目の前の光景は見れないし体は自由に動けない。でも、心はちゃんとあった。
「嗚呼、美しい」
「貴方様をご拝見できて良かった」
自分が死んだのに、国民は皆有難うやら告げて去っていく。
悲しまない事に少しだけ胸がチクリと傷んだ。まあ、分かってたけどね。
でも、マレウスだけは酷く酷く毎日のように懺悔した。
「もっと早く助ければよかった」
そんな事ないよ。私が勝手に動いただけなんだよ。そう言いたいが、口は開かない。
「今日は令嬢がお前の為にと羊羹を持ってきた。僕は、お前の焦げたクッキーがまた食べたい」
不味いよ、味覚音痴じゃん。
「学園を卒業した。初めてプリクラというものを撮った。皆、今年は留年する者は零らしい。お前も一緒に通えたら良かったな」
楽しそうで良かったね。貴方の最後の制服姿、私も見たかったな。
「……恋しい。会いたい」
ごめんね。
彼の泣きそうな声に、私は自分の未練に気付いた。
そういえば一度も彼の笑顔を見た事が無かった。ずっとあの無表情が笑う所が見たかったのだ。
でも、彼は多くの人に好かれて幸せな日々を送っているはずなのに笑顔は見せなかった。その為、私はずっと成仏が出来なかった。
一輪の赤い薔薇を毎日供える。
薔薇が枯れた日は一度もなかった。毎日私の事を忘れず薔薇を供える律儀な姿に、私は段々と惹かれていった。もう、死んだから愛してるも言えないのに。
しかし、彼のお陰で生き返れた。
今度こそ、起きたらあなたに伝えよう。
『私も貴方を愛してる』
その時、彼は初めて笑顔を見せた。
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どぽぽ(プロフ) - まうっさん» 同じ推しですね！これをリアタイで読んでいる方々を私は後に勇者だと呼びます。1日1話投稿している為あと10日程経てば完結しているので頑張って下さい(T＿T) (2021年4月26日 6時) (
レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
まうっ - マレウス推しなのでまだ続きなのですがすごく泣きました (2021年4月26日 2時) (レス) id: bdce3747f9 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ(プロフ) - 莉々菜さん» ありがとうございます！続きはマレウス視点となります。引き続きよろしくお願い致します<(_ _*)> (2021年4月21日 0時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
莉々菜 - 次がめっちゃ気になる！！ (2021年4月21日 0時) (レス) id: 0c711e1238 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ(プロフ) - 優里さん» こちらこそ、読んで下さりありがとうございます！！私もよく字を間違えるのでお気になさらずd(ゝω・´○)これからもよろしくお願い致します(≧∀≦人) (2021年4月20日 19時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
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