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「Aとはあんまり似てないんだね」
「当たり前ですよ!うちの妹はすっっごく可愛いんで!俺が兄になれたのはきっと前世の俺が何か良い事を沢山したからだと思います。世界救ったとか勇者だったとか」
「はは、凄く好きなんだな」
「大好きです!」
「そうか。でも、ちょっと彼氏的には妬けるな」
妹の事を嬉々として語っていたが、湊の言葉にピシリと固まる。
あれ、まだ妹の事好きになってないのか?写真でも充分可愛いのに、やっぱり湊程のイケメンだったら美女に耐性がついてるのかもな。やはり本物に会わせないと。
脳内で計画を立てている最中、湊は困ったように眉を下げた。
「おいおい、彼氏がこんなにアピールしてるのに無視か?」
「えっ、あ、すみません!湊の事も好きですよ」
「取って付けたような言い方だな」
「うぐっ、ほほ本当ですよ!」
んー?と彼は目を眇めて俺の顔に近付く。
近い!いちいち距離が近い!妹と付き合った際は程良い距離感を保つようにしっかり湊に言い聞かせなくては。
湊は俺の唇に人差し指を当てた。そして悪戯を思いついた子供のように言った。
「そうだ。Aからキスしてくれないか?」
「何でそうなったんですか!?」
「Aが本当に俺の事が好きならキス出来るだろ?好きじゃないなら別にしなくていいけど」
う、そう言われたらキスしないといけないじゃないか。まあ落ち着け俺。一度湊の方から額にキスされたことはあるし俺だって出来る。
グッバイ、俺のファーストキス……。
俺は湊の両肩を掴んだ。
湊はちょっと驚いたように目を見開いたが口角を上げて微笑んでいた。意を決して顔を近付ける。心臓がバクバクと煩い。
もう少し、というところで俺は怖気付いて進行方向を変えて頬に口付けた。
「……あれ、そこ?」
「そこもキスのうちの一つですよ!はい終わり!俺が湊の事好きって証明出来ましたね」
「うーん、ちょっと納得いかないけどAからキスしたのはこれが初めてだよな?」
当たり前だ。こんな平凡な野郎に今まで彼女が居たと思ってるのか?
頷くと湊は「じゃあいっか」と笑顔になった。よ、良かった。正直唇じゃないから拗ねるかと思ったけど満足してくれたようだ。
安心したのも束の間、彼が俺の腰に手を回し、そして俺の唇に柔らかいものが重なった。
え?
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どぽぽ(プロフ) - レモンさん» こちらも読んで下さりありがとうございます!!今回の男主くんは癖が強くてこのシスコンを受け入れられるか、と不安でしたが可愛いと言って頂けて嬉しいです!めちゃくちゃ褒めて下さり感謝で泣きそうです🤦♀️素敵なコメントありがとうございます(_ _) (2023年2月23日 12時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 完結おめでとう御座います!面白かったです!!男主くん可愛くてつい一気読みしてしまいました…!どぽぽ様の小説って全部面白くてすごいなと思いました!これからも頑張ってください!応援してます! (2023年2月23日 10時) (レス) @page36 id: 069557edb4 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ(プロフ) - みるくプリンさん» 初めまして!一気読みお疲れ様です!結構長いのにありがとうございます🙏✨湊先輩はよくいる思わせ振りなイケメンをイメージして書いたのでそう言って頂けて嬉しいですー!温かいお言葉ありがとうございます! (2023年1月28日 17時) (レス) @page3 id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - 初めまして!めーっちゃ面白くて、一気読みしました。湊パイセン格好いい!私も頭ナデナデして欲しい(*´艸`)これからも頑張って下さい💕 (2023年1月28日 14時) (レス) @page36 id: 49fc610c53 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ(プロフ) - Rururunさん» 最後まで読んで頂きありがとうございます!そして受験勉強お疲れ様です…!緊張や不安で辛いですよね😢この小説で少しでも癒しになれたなら嬉しいです!体調に気をつけて頑張って下さい⚑︎⚐︎ (2023年1月22日 23時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
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