【あんスタ】薔薇王子。【男主】

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海外へ出港する前に、色々と準備を事務所が進めてくれていた。



俺自身も家族に連絡したり仕事相手に挨拶したりと慌ただしい日々。

全然、学院に通わなくなったという感覚もない。まあ一応通っていたってだけだったからそう思うのかも。









「あっ、Aくん！」

『……青葉つむぎ』









何で、RhythmLinkの前にいるんだ。


もう会えないと思っていたのに。

驚きでお互い固まったままだったけれど、自然と口が開いた。









『何でここにいるの』

「えへへ、事務所に移籍したと言っていたので、ここならいるのかなと思ったんです」









何でわざわざ来たのか。


ああ、そういえば青葉つむぎは天祥院英智と同じfine。
何か言われたのかもしれない。面倒臭いな。









「どうして、何も言わずに退学しちゃったんですか」

『……言う必要が無い、あんたには』

「言う必要が無いって、友達じゃないですか」









友達？


俺と、青葉つむぎが？









「Aくんと話したのはとても楽しかったですし、優しく接してくれました。それなのに、何も言わずにさよならなんて」

『……ごめん』

「あ、こっちこそすみません！謝罪させたくて来たわけじゃないんです」









青葉つむぎの言う通り、何も言わずに急に居なくなったのは悪かった。

でも、言う余裕も無かった。一応、青葉つむぎは後輩だし後輩にそんなに私情を話すわけにも行かない。









「本当に言いたいことは、皆心配してるってことです」

『……心配？そんなのする訳ない。俺は嫌われているし』

「そんな事ないですよ。晃牙くんや凛月くん、夏目くんや五奇人の人達も何故退学したのか俺に聞いてきました」









思い当たる節がある。
今まで朔間零関連で話したことのある相手だ。


青葉つむぎはそれだけ言って、礼をして帰った。


……案外、周りに多くの人がいて話を聞いてもらう人がいることも知った。









「Aさん、準備が整ったので早く行きましょう」

『……えっ、もうですか？』

「はい。早くには、あと二日後が良いかと思います」









自然と、口が動いた。









『ちょっと、待ってください』









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