４３。 ページ44
．
『憂鬱だなぁ……』
そろそろライブの時間だ。
あの後、急いでトイレに行き適当に近場で時間つぶしをしていたけれど、ライブに行かなくては行けない。
「おや、Aくんおかえり。どこに行っておったのか？」
『そこら辺の店で適当に』
朔間くんはニコニコと笑う。
あんまり、責められなくてよかった。
朔間くんはなんだかんだ空気を読んでくれたりするから……。
「逆先くんとは、仲直りをしたのか？」
『仲直りっていうか、喧嘩もしてないからね』
「我輩もAくんに本当のことを教えて欲しいが、Aくんが嫌なら無理に聞きはしないからのう」
知られたら嫌だということを察してくれたのかそう言ってくれるけど、少しつらそうな笑顔。
『……ありがとう、朔間くん。そんな大したことじゃないから、気にしないでいいですよ』
「A、大丈夫か。先程は逆先と何かあったようだが」
『ありがとう、蓮巳くん。大丈夫だよ。ライブでは失敗しないから。本番頑張りましょう』
そう言うと、デコピンをされた。
痛い。誰だろう。
デコピンされたせいで反射的に閉じていた目を開いたら、案の定大神くんがいた。
「無理して笑う必要ねえっつーの」
『大神くん、ライブ前に顔に傷つけるようなことはやめてくださいよ』
「髪で隠れるから大丈夫だろ」
「ククク……本当に、デッドマンズの頃のようで楽しいのう。あの頃のように戻れて嬉しいじゃよ」
嬉しいか……。
朔間くんはデッドマンズに戻りたいなら、勝手に外国に出て行って終わらせた俺にもっと怒るべきだったのにどうして怒らないのだろう。
帰ってきて久しぶりに朔間くんと会った時も笑顔で迎えてくれたし。まあ、修羅場みたいにもなったけど……。
しかも、UNDEADに入ってくれとかは言ってるけど、デッドマンズのことについては責めてこないし。
『…………朔間くんは、どうして俺に怒らないんですか。責めないんですか？』
「……愛しているから、じゃよ。Aくんも我輩がどんな悪い事をしたとしても我輩を信じてくれるじゃろう？」
…………なんで、この人はこんなに俺の事を思ってくれるんだろう。
どうして、一番言って欲しい言葉を言ってくれるんだろ。
『朔間くん、俺、朔間くんのこと信じてもいいかな』
「もちろんじゃよ。我輩はAくんの味方じゃ」
『……ありがとう。今からさ、話してもいいかな。俺の弱音』
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 993人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
どぽぽ２(プロフ) - 那生さん» ありがとうございます！！他の作品も応援して下さりありがとうございます^^*これからもよろしくお願いします！！ (2020年1月6日 11時) (
レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
那生 - 完結おめでとうございます!!!すごい面白いかったでござる!!!他の作品も頑張ってください!!応援しているでござる!!! (2020年1月6日 9時) (レス) id: 64fc749647 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ２(プロフ) - 名無しさん» アリガトウゴザイマス。 (2019年9月5日 21時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - カンケツオメデトウゴザイマス。 (2019年9月5日 21時) (レス) id: 4e31eec717 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ２(プロフ) - 四面楚歌さん» 面白いと言って貰える作品を作ることができて、嬉しいです！今まで読んでくださりありがとうございました！！！ (2019年9月2日 16時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
