３３。 ページ34
．
「そこまで凄い人物ではないけど、君に知られていたことは嬉しいな」
『俺の事、知っていたんだ』
「うん。だって、あのデッドマンズのメンバーで朔間くんのお気に入りだからね」
お気に入り、か……。
あんまりそんなふうに思わないんだけど。
どちらかと言うと大神くんの方が彼に好かれていると思う。
最近は朔間くんも「わんこ」と呼んで微笑ましく見ているし。
大神くんも昔は凄く懐いていたし……。
『それにしても凄いね。こんな同い年の子があの学院を変えただなんて』
「そうかな。君も、あの学院で唯一まともで誰一人悪い評価を抱かれていなかったから凄いよ」
「あと、唯一無傷だからね」という言葉は、聞こえなかったことにしておこうか。
話を聞いたところ、「五奇人」がこの生徒会長に対してよく思っていない様子は理解している。
その中、奇人並に周りから知られていた俺が無傷だったのは、外国に行ったこともあるかもしれないけれど、彼の策略の可能性だろう。
『無傷、ですかね……。天祥院くんは、わざと俺を逃したのでしょう？』
「…………やっぱり、君は奇人より厄介だなぁ」
厄介と言いながらも、天祥院くんは面白そうにくすくすと笑っている。
この人、高校生なのによっぽど肝が座っている人物だな。
「厄介」なのは俺の方だ、と言いたいくらい。
「君は、今無所属なんだよね」
『うん』
「じゃあ、fineに入らない？」
……fineに、俺が。
御曹司達で組んでいるユニットだっけ。確か、斎宮くんがそのように言っていたはず。
結構、人気もあったユニットだったはず。
まあ、どうせ俺をユニットに勧誘なんて面白がり巫山戯て言っているのだろう。
『ごめんなさい。今は正直もうアイドル活動をする気がないんだ』
「そっか。まあ、敬人から一通り話は聞いているし断られるのは予想していたよ。でも、君の想像しているfineと今はもう変わったから、ぜひ1度は今のfineを見て欲しいな」
『喜んで』
ふわりと笑う天祥院くん。
俺から見ると、警戒はするけれどそんな悪い人には見えない。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 993人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
どぽぽ２(プロフ) - 那生さん» ありがとうございます！！他の作品も応援して下さりありがとうございます^^*これからもよろしくお願いします！！ (2020年1月6日 11時) (
レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
那生 - 完結おめでとうございます!!!すごい面白いかったでござる!!!他の作品も頑張ってください!!応援しているでござる!!! (2020年1月6日 9時) (レス) id: 64fc749647 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ２(プロフ) - 名無しさん» アリガトウゴザイマス。 (2019年9月5日 21時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - カンケツオメデトウゴザイマス。 (2019年9月5日 21時) (レス) id: 4e31eec717 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ２(プロフ) - 四面楚歌さん» 面白いと言って貰える作品を作ることができて、嬉しいです！今まで読んでくださりありがとうございました！！！ (2019年9月2日 16時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
