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その後も片っ端に知り合いに話しかけたが、全員そんな楽器を弾ける人なんていなかった。
どうやら、今回UNDEADも出るらしい。
タイミングが悪いなぁ……。軽音部全員が出るなんて。
『凛月くん、楽器弾ける?』
「ピアノなら弾けるけど、何かあったの」
『Trickstarの曲を弾いて欲しくて。1週間以内って難しいですか?』
そう言うと、凛月くんは曖昧な顔をした。
そもそも興味無さそうだ。
案の定、凛月くんは面倒臭いしだるい。など、やる気の無い様子。
「まーくんのユニットだから曲は聞いた事あるけどさ、俺一応他のユニットに所属してるからセッちゃんとかに怒られるの嫌なんだよね」
『でも、その凛月くんの大事な衣更くんが困ってるから』
幼馴染の衣更くんには弱い凛月くんの事だ。彼が頼めば一発で受けいれるはず。
しかし、そう簡単に事が進むはずが無い。
「そう言うつーちゃんが出ればいいんじゃない?今、ユニットも入ってないしキーボード担当って言われていた程だから実力もあるはずでしょ」
凛月くんは、そう言い「じゃあ、俺は寝るからね〜」といつもの様に気まぐれな猫のように去っていった。
残された明星くんは俺に対し、頼むかのようにキラキラと目を輝かせて見つめてくる。
「バキさん、お願い!」
出たら、面倒事になりそうだなぁ……。
しかも、デッドマンズから抜けた俺は、もうアイドルを辞めた。
アイドルとしての俺はもう居ないんだ。
『俺は、もうステージに上ることは今更出ることは出来ませんよ』
「でもバキさん、前講堂に行った時、楽しそうにデッドマンズの頃の振り付けをしたよね。ライブは、嫌いじゃなかったんだよね?」
嫌いなわけがない。
嫌いだったら、すぐにユニットから抜けていた。
明星くんは笑顔で言った。
「出ようよ。バキさんは終わってなんてない。終わったんじゃなくて変わったんだよ。新しいバキさんでさ、ステージに上って一緒に俺たちとあんさんぶるを奏でようよ!」
輝く笑顔で明星くんはそう言った。
その時、俺は自然と何の迷いもなく受け入れた。
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どぽぽ2(プロフ) - 那生さん» ありがとうございます!!他の作品も応援して下さりありがとうございます^^*これからもよろしくお願いします!! (2020年1月6日 11時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
那生 - 完結おめでとうございます!!!すごい面白いかったでござる!!!他の作品も頑張ってください!!応援しているでござる!!! (2020年1月6日 9時) (レス) id: 64fc749647 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ2(プロフ) - 名無しさん» アリガトウゴザイマス。 (2019年9月5日 21時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - カンケツオメデトウゴザイマス。 (2019年9月5日 21時) (レス) id: 4e31eec717 (このIDを非表示/違反報告)
どぽぽ2(プロフ) - 四面楚歌さん» 面白いと言って貰える作品を作ることができて、嬉しいです!今まで読んでくださりありがとうございました!!! (2019年9月2日 16時) (レス) id: 7f61df18d8 (このIDを非表示/違反報告)
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