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『先生…好きじゃなくてもいいから付き合ってください』
精一杯、振り絞ったつもりだったけど出たその言葉は意外にも小さかった。
彼は振り返らずに、チョークの跡を消している。
あぁ、おそらく聞こえていないのだろう。
それならもういい。
これもまた運命だ。
そういう運命だったということ。
なら受け入れる。
不「…南條?」
受け入れるから、もう少しだけ待って。
まだ顔を上げられない。
だからまだ、
不「…顔、上げろォ」
そんなこと言わないで。
嫌だという意味を込めて、首を振った。
するとはぁーとため息をつかれた。
余計に顔が上げづらくなってしまった。
何度も顔上げろ、顔上げろ言ってくる。
パワハラですよ、これ。
不「おい、聞こえてんのかァ」
『…聞こえてます』
不「なら、顔くれぇ上げてもいーだろォ」
だが、執拗にここまでこだわる理由は何なのだろう。顔を上げたからといって果たして何になるのだろうか。
そう思って、冷静になった頭で考えながら顔を上げた。
不「…」
でもその表情は読み取れなかった。
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りん(プロフ) - 柚葉さん» 私も実弥さん言われたらキュン死にしちゃうだろうと思って、書きました(〃▽〃) (2021年8月7日 2時) (レス) id: 449a33bf31 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 実弥さんに、そんなふうに言われたい!!! (2021年8月6日 22時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりん | 作成日時:2021年7月20日 20時