�� ページ9
.
学校が終わり、1人で帰ろうと廊下を歩いていた時、ふと思った。
＿＿舜斗、なんで直接言わなかったんだろう。
幼馴染なんだから、学年は違くてもある程度は話せる筈だ。
『んー…………タイミングが合わなかったのかな…』
少しモヤモヤした気持ちが心に残る。
とその時、後ろから誰かに肩を叩かれた。
どうせ真人がまた何かちょっかいかけてきたのだろう。そう思いながら、後ろを振り向いた。
「やっほ」
壮大だった。
壮大とは今は別のクラスだが、高一の時に同じクラスになった時以来、ずっと仲が良い。
この仲を築けたのも、真人のお陰だ。
本当に顔が広い。
『あれ、壮大じゃん』
「んだよ。
俺じゃ悪かったかよー？」
『全然』
「ね、今日一緒に帰ろーよ」
『私と？』
「うん。
お前しか居ないし」
そう元気良く言うもんだから、私もいいよと頷いてしまう。
「よっしゃ！」
『でも、いつも一緒に帰ってる人はいいの？あのー、あれ、高身長の、あの人。先輩だっけ？』
「あー、樹音？
んー……まぁ…大丈夫っしょ！」
本当か？
明らかに大丈夫じゃない感が強いけど…。
『ほんとに…？約束破って他の子と勝手に帰ってた〜って私が怒られたりしない？』
「大丈夫大丈夫！そん時は俺が何とかするわ」
『ほんとかなー？』
「マジだって！」と焦ったように返す壮大を見て、思わず笑ってしまう。
私たちはそのまま靴に履き替え、学校を後にした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鯖の味噌煮ちゃん | 作成日時：2024年3月3日 22時
