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『…うぉっ、！！？…しゅ、ん…………壮大…？』
急に飛びつかれたかと思ったら、急に手を握られたので、今のこのルンルン思考の私はてっきり舜斗かと思ってしまった。
が、その正体は壮大だった。
「……俺と舜斗間違えんなよ」
そう言う壮大の目に光はなく、柄にもなく、笑顔もない。
その姿に、少し怖気付いてしまった。
『…ぁ…ごめん、さっきまで一緒に帰ってたからさ。舜斗かなって思って』
「舜斗はお前の手握んの？」
『あー………いや、まだ…ないかな』
唐突な質問に、そう答えた。
まだ、ない。
と信じたい。
これからがあると思いたいが、これからがあるのかがわからなくって、信じることしか出来ないんだ。
「……へぇ。
……じゃあ、俺が初めてだったってこと？」
『え？』
手を握られるのが、って事だよね。
手を握られるのなら友達とか親とかとした事はあるから初めてでは無いけど…。
そもそも初めての人の方が少ないと思う。
『…いや？全然友達とかともするよ』
「舜斗と手繋ぐより、俺と繋ぐ方が早かったって事だよな？」
『…うん、そうだね。壮大の方が早かった』
そう言うと、壮大はははっと笑った。
髪の毛に隠れて表情があまり伺えないが、恐らく機嫌はさっきよりはいい筈だ。
「そっかぁ…。俺のが先かー………」
『…？…うん。……そんな嬉しい？』
「当たり前だろ」
『え？』
少し冗談交じりで言ってみたつもりだったんだけど…。
まさかの答えだ。
嬉しいような何とでもないような。
でも、嬉しいと言われたらなら、こっちも良かったってことでいいのかな。
そして壮大は握る手を強くした。
『あ、あの人は？いつもの人。今日は大丈夫なの？』
「え？誰？」
『え？…あのー、あれ、……樹音先輩！』
「覚えてんだ。忘れていいのに」
『壮大の友達なんだから、覚えてた方が得でしょ』
「…そっか、まぁいいや。
樹音はさっきまで一緒に居たけど、置いてきた」
『え、！？な、何してんの！？早く戻んなよ！』
「無理。Aと居る方が大事」
『いやそんな……彼女でもないんだから』
「…………、
、……まだな」
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ーー
リアルが忙しくて更新忘れてました…すみません
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作者名：鯖の味噌煮ちゃん | 作成日時：2024年3月3日 22時
