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『しゅ、んと…、！！？』
振り向くと、そこには幼馴染であり、私の好きな人の舜斗の姿があった。
突然の好きな人の姿に、声が裏返ってしまったし、持っていたカフェオレ落としてしまった。
「ちょ、…え？」
私が落としたカフェオレを拾い、それを渡してくれた。
こういうとこが好きなんだよなぁ。
『ぁ、ごめんごめん。
ちょっと考え事しててさ』
「めっちゃ鼻歌聞こえてきてたけど」
もう今日死んでいい。
分かりやすく落ち込む私を見て、舜斗はケラケラと笑いだした。
それに追加するように「めっちゃるんるんだったじゃん」と煽るかのように言ってくる。
『あﾞーーーもう記憶消して……』
「一生覚えとこーー」
『マージでやめろ！！』
そんなに面白いか？ってレベルでずっと笑ってる舜斗。
こっちからしたら何も面白くないし、なんなら恥ずかしさMAX状態だ。
赤くなってるであろう顔を覆いながら、舜斗と会話をする。
「てかなんでこの時間帯にここ居んの？寝坊？」
『まぁ、うん。……って舜斗も言ってるけど、舜斗は？』
「寝坊」
お前もかよ。
遅刻することに焦る素振りも見せないから、てっきりこの時間帯にいっつも学校行ってるのかと思った。
『一緒じゃん。随分余裕そうだね？』
「お前もね？カフェオレも買っちゃって、俺より余裕そうじゃん」
『走っても無理って思ったから諦めた』
「ははっ、俺も」
また一緒かよ。
なんだろ、めっちゃ嬉しい。
もう全てが嬉しい。
『ていうか、通学路ここ一緒だったっけ？』
「うん。ここはね。
この奥の交差点から別れるでしょ」
『あーそっか。高校生になって1回も帰ったことなかったから覚えてなかった』
「ひでー」
そう言う舜斗に笑い、こんな幸せな朝があっていいのかなと、この現実を噛み締める。
そしてまた、舜斗が口を開いた。
「じゃあ今度さ、一緒に途中まで帰ろうよ。久しぶりにさ、どう？」
＿＿＿＿＿半分記憶が無くなった。
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作者名：鯖の味噌煮ちゃん | 作成日時：2024年3月3日 22時
