【BE:FIRST】一石二鳥 (ページ20)

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「じゃあ俺ともう一緒に帰んないの？」

と言ったと同時に、壮大が私の手首を強く握ってきた。

思った以上に強かった為、思わず顔を歪めてしまう。

壮大の口調がいつもより荒々しく感じた。
目付きもいつもより鋭い気がする。

ちょっと、怖い。

『…ちょっ、…力強いって……！』

「ああ…ごめん」

力は緩めてくれたが、まだ手は離してくれなかった。

「また俺と帰ってくれるよな？もう帰らないなんて言わないよな？」

『う、うん…帰るよ、全然』

光が入っていない目で見つめられ、思わず冷や汗をかいてしまう。

こんな壮大、見た事ない。

…もしかして、怒った？

でも何で？

そう戸惑ったままでいると、壮大がまた口を開いた。

「だよな、良かった。

あ、球技大会絶対見に来いよ？」

そう言う壮大は、いつもの壮大に戻っていた。

急な出来事でよくわからなかったが、とりあえず元に戻ってくれたみたいで安心した。

『わかったわかった。見に行くよ』

「絶対な、絶対！

……あ、ヤバ、授業始まるじゃん。じゃ、またな」

『うん、またね』

そう軽く手を振り、壮大は去っていった。

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