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教室の前の入口を見ると、そこには壮大が立っていた。
私は小走りでそこまで向かった。
『何かあった？…あ、もしかして昨日の事じゃ……』
「ちーがうちがう。
昨日球技大会の話してたじゃん？それでAがなんの競技出るか聞けてなかったからさ。聞きに来た」
なんだそんな事か。
思わず胸をなで下ろした。
『あー、えっと、ドッジボールだよ』
と言うと、小さく「えっ」と言う壮大の声が聞こえてきた。
「マジ？俺もドッジボールかバスケで悩んでたんだよ。
えーー、Aドッジなら俺もドッジにすれば良かった〜〜」
『一緒になっても男女で別なんだから戦わないでしょ。
それに、壮大と戦うってなったら絶対私仮病使って見学する』
「え、何で？」
『絶対強いじゃん。球早いし、痛そうだし』
「うーわ偏見だ」
『いーや事実だね。
一年の時の壮大のドッジボールの威力ヤバかったからね！？当たってた人めっちゃ痛そうだった』
これは本当だ。
高一の時の球技大会で、壮大はドッジボールに出ていた。
私は壮大に見とけよって言われてたから、試合を見ていたが、その試合はもう……壊滅的と言っていい程、壮大が大活躍していた。
球は早いわ強いわ、壮大は逃げるわ飛ぶわで、こりゃ勝てないなと、試合に出ていない私にも伝わったくらいだ。
結果は勿論壮大が入っていたチームの圧勝だった。
「そうだったっけ？……あんま記憶無いかも」
『ヤバすぎ。
ていうか、言う事それだけだったらLINEでも良かったのに』
これは本当にそう思う。
わざわざこの球技大会どの競技出る？というどこでも話せるような簡単な内容を、わざわざ他クラスまで来て、呼んで言うほどか？
「今パッて思い出して、忘れないうちに〜って思って来ただけ」
『あーなるほど？』
それなら……納得出来る。
そろそろ休み時間も終わりそうな時間帯に差し掛かってきた。
あ、一番知りたかったこと聞いてないや。
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作者名：鯖の味噌煮ちゃん | 作成日時：2024年3月3日 22時
