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＿＿壮大。
『……？』
声のした方＿＿後ろを向くと、そこには壮大といつも一緒に帰っている男子生徒＿＿樹音とやらの姿があった。
背が高く、少し気だるそうに鞄を持っている。
その彼が、こちらへと段々近寄ってくるのがわかる。
もしかしてこれ怒られるやつ？？
『あ、…』
中々に気まずい空間だ。
しかも手も繋いでるし。
この状況を他の生徒に見られるなんて、少し恥ずかしい。
この感じ、壮大はこの樹音という男子に、私と帰ることを伝えていなかったんだろう。
彼の顔はとても良い顔とは言えない。
こんな空間、今すぐ抜け出したすぎる。
「ぁえ、樹音？｣
なんで居るの？とでも言うような壮大の言葉を樹音は無視し、口を開いた。
「楽しそうだね」
＿＿目が合った。
彼は笑ってた。
『あ、はは………えっと……』
でも、何かが怖かった。
瞳の奥を覗いてしまうと、そのまま飲み込まれて殺されそうな、そんな感じがした。
いつの間にか、必然的に壮大と手を離していた。
その時の壮大の顔は見れなかった。樹音先輩の目を見たくなかったから。
「A…？」
と私に手を伸ばす壮大の手が視界に入ってきた。
そしてまた手を握られそうになった時、樹音先輩が壮大の手首を掴んだ。
「Aちゃん…だっけ？ごめんね、俺の壮大が一緒に帰っちゃって｣
『あ、……ん…？』
「じゃあ、壮大貰ってくね」
そう言い、そのまま壮大を連れて行く。
「あ、ちょっ、…は、！？どういう事だよ！おい樹音！…ご、ごめんA！また明日な！｣
『あ、うん、！また明日〜……』
ただただ手を引かれていく壮大を、どんな気持ちで見たらいいのだろう。
私はその光景を見つめることしか出来なかった。
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作者名：鯖の味噌煮ちゃん | 作成日時：2024年3月3日 22時
