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俺がAを廊下で見かけた時、Aは何か考え事をしてるように見えた。
＿＿もしかして、アイツのことを考えてるんじゃないのか？
少し不安になって、直ぐにAの所に行った。
気付けば、一緒に帰る約束をしてしまっていた。
すっごく嬉しい。
普段は樹音と帰っているため、中々Aとは帰れなかったんだ。
勝手に帰ったから樹音には怒られるかもしれないけど、今日くらいいいよね。
ついでに、帰る時に気になってたことを聞くことにした。
聞かないとモヤモヤが止まらなくって。
『…昨日さ、インスタのしたともであげてたじゃん？
……写真』
そう言ってAの顔を見ると、キョトンとしたような、何も分かっていない顔をしていた。
そして数秒したら返ってくる、「あー、あれね」と言う声。
もし彼氏だったらどうしよう。
もし好きな人だったりしたらどうしよう。
そんな嫌な妄想ばかりしてしまう。
＿＿＿幼馴染だよ
一瞬で心が軽くなった。
なんだ、ただ少し付き合いが長いだけの友達か。
じゃあそんなに考えなくても＿＿＿＿＿＿
＿＿そう思った時、Aの顔を見た。
「…………、」
Aの顔は、何かちょっと、照れてるような、そんな感じがした。
＿＿何？
＿＿本当に幼馴染だけで収まる関係なのか？
＿＿本当は好きな人＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
そして一気に高鳴る鼓動。
心臓が早く俺の胸を打ち付ける。
＿＿クソ。
そして気付いたら聞いてた。
『…その舜斗って人さ、彼女とか居んの？』
戸惑うAの顔。
全っ然隠せてない。
＿＿ああ、
＿＿A、俺の事見てないんだ。
＿＿その舜斗ってやつしか見てないんだ。
そして、そいつに彼女が居ないとAの口から聞いた時、俺の心臓は、またドクドクと波打った。
そして目の前にまた戸惑うAの顔。
「…壮大……？」
『……ごめん、実はさ、ちょっと不安なことあって。
……このまま帰っていい？』
Aの手を強く握って、そう呟いた。
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作者名：鯖の味噌煮ちゃん | 作成日時：2024年3月3日 22時
