心配 ページ13
智side
雅紀「しょおおおおちゃああああん！！
宿題うつさしてーーーーー！！！！！」
朝から相葉ちゃんの大きな声が教室に響き渡る。
あの件があってから、相葉ちゃんにも笑顔が戻り、前のようにたくさん笑う姿が見られるようになった。
和也「…なんか変じゃない？」
ニノがボソッと俺にそう言った。
智「へ？いつも通りだと思うけど…
まあいつも以上に元気かなとは思う。」
俺はそう言って首を傾げた。
でもニノは「違う違う」と言って
和也「相葉さんは変じゃないよ。あ、変だけど違う。
翔さんの方。」
智「翔ちゃん？」
俺は相葉ちゃんから翔ちゃんへ目線を移す。
相葉ちゃんがあんなに大きな声で翔ちゃんの名前を呼んでいたにも関わらず、全くの無反応。
席に着いてボーッとしている。
智「…ほんとだ。
どうしたのかな？」
いつもなら ”宿題くらい自分でやりなさい！”ってお母さんみたいなこと言うのに。
雅紀「…しょ、翔ちゃん？
なんかあった？」
相葉ちゃんですらオドオドとしている。
翔「…あ？
ああ、宿題？
これ、持ってけよ。
授業始まったら返せよー。」
雅紀「えっ…
あ、うん！ありがとー！」
智「えぇ…
やっぱおかしい…」
その後の授業も
松岡「じゃあこの問題、櫻井前出て解けー。」
松兄に呼ばれても翔ちゃんはボーッとしたまま。
松岡「おい、櫻井！！」
翔「ふあい！！」
松兄に大きな声で再び名前を呼ばれてようやく翔ちゃんは我に返った。
昼休みも、放課後も…
翔ちゃんはずっと上の空だった。
智「…翔ちゃん？
何かあった？」
痺れを切らして、帰りに俺は翔ちゃんに声をかけた。
翔「え？
…いや、別に。
あ、智くん
どうしても今日飯行けない？」
翔ちゃんは再び俺を飯に誘ってきた。
最初は家で寝たいから断ったけど、今日の様子を見たら少し心配になった。
智「…わかった。
俺あんまり金ないからラーメンでいい？」
翔「ほんと！？
やりー！」
翔ちゃんは子供のようにニッコリ笑った。
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作者名：haru | 作成日時：2020年8月31日 13時
