【土方十四郎】きこえますか 2

再会 ページ48

あとはお釣りをもらって帰るだけ


「あ…」


レジの横に置かれてある商品に目が行く



もしかしてこのキーホルダー…まよりーん？
数量限定しかなくて、中々手に入らないって土方さん言ってたっけ


財布の中のお金を確認する


お金は足りる、よし


「あの、これもお願いします」



会計にマヨリーンを追加した


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土方さん、喜んでくれるかな


「でかしたぞユキ！」


褒めてくれるかな




ドン


前を向いていなくて、
向かいから歩いている人に気づかなかった


「ご、ごめんなさい！」


あぁ、失敗しちゃった…



「俺のことはいいよ、それより」


どこがで聞いたことあるような



「いい身なりしてんじゃねぇか」


ドクッ


その声は…いや違う、違う
だって、今は刑務所にいるはずなのに



「おいおい、忘れちまったのかぁ」


頭を上げることができない




「チッ」




私の反応に痺れをきらし、乱暴に私の髪を掴み


「俺の声が聞けねぇのか、あぁ！？」



無理やり私と視線を合わせようとするその男は、もう会いたくないと思っていた父親だった


さっきまでの楽しい感情は、一瞬に絶望に変わっていき、周りは突然のことに驚き
こちらを凝視する


だれか、たすけて


「あ〜すみません、大声出しちまって__
　逃げたらわかってるよな」

私にしかわからないように小声で言う
掴まれた腕を解けるわけがなく、従うしかなくて私たちは暗闇の中に入った

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