【土方十四郎】きこえますか 2

提案 ページ47

食堂を通った時だった




珍しく女中さんたちが焦っているような
声が聞こえた





気になってどうかしたのかと聞いてみると
食材の補充をするのを忘れていて
食事の用意ができないのだと言う




「当番の人がいるんだけど、ついさっき連絡が来てね、体調不良だから休むって…」




「もうちょっと早くに電話してほしかったわ」




「作れる分にはできるけど、量が狭まるのよね」



「あの…私が買いに行きましょうか」




女中さんたちに提案した




「いいよ、ユキちゃん！そんなことしなくて」



「いえ！いつもお世話になっているので」



もっと身の回りのことを1人でできるように
なりたいと思ったから




「あ、あの、土方さん」


食堂でのことを話した


「というわけで、外出したいと思っていて」



「わかった、街まで送る」


「い、いえ！一人で行けますので」



一人でも大丈夫ってことを土方さんに証明しなきゃ
いつまで経っても、土方さんの手を借りるのはよくないし



「変な奴に声かけられても、答えちゃだめだぞ、あとついていくのもダメだ。あとそれと…」



「し、心配しすぎですよ！」



わ、私信頼されてない…？





「ならいいが…なるべく早くに帰ってこい」

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