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酒とバー ページ11

カラン、グラスの氷が音を立てる。



私にお酒を教えたのは太宰さんだった。



普通の小学生なら足を踏み入れることのないバーで私は太宰さんと酒を酌み交わす。



太宰さんも高一の筈だが、今それを咎めるような輩は此処には居ない。



暗い照明の中、洋楽が流れる。



私達は其れを聞くともなく聞き、話す。



立場的には同期の彼だが、私は中也さんと同じくさんづけタメ口だ。



その中で出たのは芥川という少年の話だった。



彼は私の2つ上で、殺戮に特化した異能力を持っていると云う。



凄まじいのであろう其の力は太宰さんの話し方でわかった。



私は今回、芥川の直属の上司では無いが、太宰さんの補佐をする。



つまり芥川にとって私は上司だ。



少し嬉しい。



「……私はいつ、芥川と顔合わせをすればいいの?」



「明日かなー?紹介するよ」



「んー。分かった」



短い会話しかしないけど、時間がゆっくり流れている感じが好き。



でも、



「そろそろ、帰ろう」



「えー。私、まだ帰りたく無いのだけど」



んー、と頭を悩ます。



「……私の部屋、来る?」



その途端、



「いいの!?」



と、飛び起きる彼。



こうでもしないと帰らないだろうから。



もう、今は日付が変わりかけている。そろそろ帰りたい。



太宰さんの奢りで会計をして私の部屋へ向かう。



会話をしながら帰る道が月明かりに照らされて綺麗だった。

茶漬け→←恋愛って何だろう。



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作者名:消月 | 作成日時:2017年11月30日 19時

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