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ヤクザ ページ33

白橋SIDE

 どうやら…、スーツを買う気は全くないみたい。追い出さないとな。面倒なことになる前に。やっぱり別れてもこうして関わっている内はまだ危険だ。

客「どーしても知りてぇんだ。金を出すと言っても駄目か?」

 「ここは情報屋ではありません。その隠し持っている銃かナイフも…私には通用しませんからね」

 男は肩を揺らした。…図星か。

 この人はまだそっちの世界に足を踏み入れたばかりなのかな。右手を不自然に後ろに隠し、そこに視線を度々向けている。…バレバレなんだよなぁ…、とってもわかりやすい。

 「…帰っていただけますか?」

客「…情報を持って帰らねぇと…俺は…」

 「小指を詰められてしまうんですね、わかってます。…ですが、どんなに頼まれても私は絶対に口を開きませんよ」

客「小指を詰めるだけならまだマシだ」

 …なら殺されるの?でも暴力団って仲間を殺すというか、拷問で痛めつける感じの方が合ってる気がする。…拷問されるぐらいなら死ぬ方が良いけど。

客「…ホントに…頼むよ。姐ちゃん…」

 えぇ…、暴力団の人が…私ごときの人間に土下座?そんなに上の人は怖いの?他の客に見られたら警察に通報されるからやめて欲しい。

 私はしゃがんで男の人との目線を近づけた。

 「お客様。私は貴方の欲しい情報を何も知りません。頭は上げてください、他の方に見られたら大変です。私が貴方のボスだと勘違いされてしまう」

客「…クソっ…」

 男の人は顔を上げて勢いよく右手に持っていたナイフを刺そうとしてきた。銃じゃなくて助かった。銃なら…、殺されてたな。

 私は避けて、握られているナイフを叩き落とした。

 「…大して強くもないのに随分と無謀なことをしますね」

客「なんでこの距離で避けられんだよ…」

 「刺すまでの動きが大きいからです。後は…単純に遅い」

 悔しがっている…、とても悔しがっている。殺すつもりはなかったんだろうけど、脅しにすらならなかったなんてちょっと不憫だな。

客「チッ…」

 「はぁ…」

 私を憎らしそうに睨んでる。でも話せないものは話せないし、攻撃だって当たらないものは当たらないんだよ。残念だけど。

?「おい、遅ぇぞ!さっさと来いっつったろ!」

 落ち込んでいる彼を見ていたら、いきなりドアが開いて低い怒鳴り声が聞こえた。仲間かな。

客「す…すみません!この女の口が思った以上に硬くて中々聞けませんでした!」

 随分と正直に言うんだね…。

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suffron*(プロフ) - ゆいとこさん» コメントありがとうございます!三ツ谷君が最推しなんで結構序盤絡ませていきたいと思ってるんです!これからも頑張りますね! (2022年11月18日 15時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいとこ(プロフ) - 続編移行おめでとうございます!(おめでとう…なのか?)いつも楽しく読ませていただいてます!!三ツ谷くん出てくるんですね!今後の展開がすごく楽しみです♪無理せず更新頑張ってください!! (2022年11月18日 15時) (レス) @page1 id: e4df59fc58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:suffron* | 作成日時:2022年11月17日 23時

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