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九井SIDE
いくら白橋が会うことを拒んでいるとはいえ、アイツもアイツだ。好きな女をこんな顔にさせて…。
九「今日もアイツはきっと来る」
「はい。今日こそ…向き合うつもりです。ケジメつけてきます」
九「カタギの奴が言うセリフじゃないな」
「ふふっ、竜胆さんの方が言いそうですね」
九「そうだな。じゃあ、また来る」
俺は白橋の店を出た。
九「…おい」
店の壁に寄りかかっていた奴に話しかけた。
竜「……」
九「ほら」
レコーダーを竜胆に投げ渡した。竜胆はそれをすぐさま再生し、その場に蹲った。お互い拗らせすぎていてこっちまで胸焼けしてくるな。
竜「アイツ…、本当に俺から離れるつもりなのか」
九「…俺に聞くな。その音声が答えだろ」
竜「俺は…ぜってぇ別れたくねぇ」
ならアイツとちゃんと向き合って話せばいいのにな。白橋だって多分心のどっかではコイツと別れたくないとは思ってるはずだ。寂しい、そう感じているから。
九「別れたくないなら、しつこく引き留めろよ。もし、お前らが別れることになったら俺がアイツを奪うからな」
竜「お前でも無理だと思うけど。アイツは反社と関わること自体を躊躇ってる。だから…、俺がアイツをどんな時でも守れると…証明しないと」
九「…はぁ…。いっそのこと三途に何か薬貰えばいいんじゃないのか」
竜「ヤク中の出す薬なんてロクなものねぇよ」
まぁ、それもそうだ。
九「…じゃあ、どうするつもりだ」
竜「…九井。お前、Aのこと好きなんだろ?敵に塩を送るみたいになってねぇ?」
九「アドバイスがいらないなら俺はもう帰る」
俺は灰谷達みたいに女の経験が豊富な方ではない。でも白橋の扱い方ならコイツらよりもわかっている。白橋は意外と押しに弱い。それを利用して無理矢理捕まえるってのも手の一つだけど、コイツは…絶対にしないな。
竜「はぁ、俺も仕事が入った。アイツのことは…後で考える」
九「ウサギは寂しすぎると死んでしまうんだと」
竜「多分アイツはウサギでもネコでもねぇよ。孤独が嫌いな一匹狼だ」
竜胆は仕事が面倒だと呟きながら路地の方へ歩いて行った。
孤独が嫌いな一匹狼…か、あまりにも矛盾しすぎている。でもあながち間違ってはいない。一人でいようとするくせに本当の独りになるのは嫌。
…俺も…似たようなものだな。
九「…電話か。…はい…、…なんだ、三途か」
三『マイキーが呼んでる、急いで帰ってこい』
九「わかった」
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suffron*(プロフ) - ゆいとこさん» コメントありがとうございます!三ツ谷君が最推しなんで結構序盤絡ませていきたいと思ってるんです!これからも頑張りますね! (2022年11月18日 15時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいとこ(プロフ) - 続編移行おめでとうございます!(おめでとう…なのか?)いつも楽しく読ませていただいてます!!三ツ谷くん出てくるんですね!今後の展開がすごく楽しみです♪無理せず更新頑張ってください!! (2022年11月18日 15時) (レス) @page1 id: e4df59fc58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年11月17日 23時