仕立て屋と反社【東リべ】【梵天】 (ページ36)

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竜胆SIDE

　マイキーは白橋の腕を掴んだ。

マ「命令だ、まだ帰るな。俺に付き合え」

　「それは構わないんですけど、私明日仕事なんで…」

マ「何の仕事だ」

　「スーツの専門店を経営しています。マイキーさんもいつでもいらしてくださいね」

　人に興味を持たないマイキーが白橋を知ろうとしている。いつもハイライトのない真っ黒な目をしているけど今だけは少し光っている気がする。

マ「じゃあその店を梵天が買う。それなら…」

　白橋は困った顔をしてマイキーの話を遮った。

　「それは困りますよ、あの店は私だけのものです」

三「テメェ…、マイキーに逆らうのかよ」

　「綺麗な人は黙ってください」

　あ～あ～、キレ散らかしてんなぁ…。斬られても俺ら責任取れねぇよ。

　「マイキーさん、お客様として来て下さるのなら私は大歓迎です。でも用もないのに来られるのは困ります、他のお客さんにも迷惑が掛かりますしね」

マ「俺の言うこと聞けねぇの？」

　「聞く聞かないではなくてですね…。あの店を貴方たちの所有物にするわけにはいかないんですよ。どんな条件を出されてもあの店は渡しません。…私の宝物ですから」

　…！かっけぇ…、あのマイキーを相手に怯まずに噛みついている。むしろマイキーの方が心なしかたじろいでいるか？すげぇな…、白橋。

マ「…逆らうなら殺すって言っても渡さねぇ？」

　「死んだら元も子もないですけどねぇ…。私が死んだらあの店も無くなるものと思っていただければ」

マ「…わかった。三途」

三「何でしょう」

マ「明日、コイツの店に行く」

　すっげー不満そう。逆にマイキーは満足してるみたいだけど。白橋は…、店を取られずに済んだからホッとしてんな。

マ「そう言えば、お前の名前聞いてないな」

　「白橋Aです、お店の場所は竜胆さんたちに聞いてください」

マ「…お前ら、行ったことあるのか」

蘭「何回かね。Aちゃんの作るスーツすごい着やすいよ、後何着か欲しいから明日梵天勢ぞろいで店凸っちゃうかも～」

　「マイキーさんと…、蘭さん竜胆さんと…」

　…今、しれっと俺たち兄弟のことセットにしたよな？

　「鶴蝶さん、九井さん、…綺麗な人…」

竜「ブフッ！三途…！お前、名前言ってねぇせいで綺麗な人のまま定着してんだけど！ウケるわ～」

　「三途さんって言うんですね。他にも仲間がいるんですか？」

鶴「仕事で今はいないが明司と望月がいる」

　「明司さんと…望月さん…」