８０．弐番隊副隊長 ページ34
花桐SIDE
それからしばらくは沈黙の時間だった。他の子たちが来た時に私たちのあまりよろしくない雰囲気を感じ取って静かに椅子に座った。
そして最後に武道が来て、全員揃い。
ド「みんなも知ってる通り４日前、壱番隊、そして羅賦良簾の幹部が黒龍と衝突した。言うまでもねぇ、これは黒龍の宣戦布告だ」
宣戦布告ね…、抗争はいつになるのかしら。
ス「大体よぉー！！タケミッチと花桐たちは黒龍のシマがわかんなくてしょうがねぇとして、八戒はなんで黒龍のシマにコイツら連れてくんだよ」
何も知らない子はそう勘違いしてもおかしくない。武藤も八戒に黒龍のスパイなんじゃないかって詰め寄られているし、事情を知っている私からしたら少し可哀そうに思えてくる。でもこっちが口を挟んだら今度は私が怪しまれるからやめておく。
八「言い訳するつもりはねぇ、煮るなり焼くなり好きにしろ。奴と兄弟である時点でその覚悟はしている。だから総長！！東京卍會、弐番隊副隊長、柴八戒。本日をもって東卍をやめさせていただきます！！」
良く言えば潔い、悪く言えばこれは単なる逃げでしかない。…責任を取らずに辞めるなんてそんなの許されるわけないからね。
私はもっと…逃げてるけど。私があの時大寿を倒せていたら八戒だってこんな苦しい決断をしなくて済んだ。…私はまた見て見ぬふりをしてしまったのね。
マイキーは止めようとはしていないけれど、どうやらタケミッチは反対みたい。
でも…、
「なんでどら焼き…？」
しかも自信満々だったタケミッチの顔は絶望に変わっているし…。あんなのマイキーが受け取ってくれるわけないでしょうに…。
ド「どうする？マイキー」
マ「弐番隊のことだ、三ツ谷が決めろ」
三ツ谷君は何も言わずに八戒の前をゆっくり歩いた。
八「タカちゃん、ごめん。もう決めたことなんだ」
三「そんな顔すんな、八戒。……わかってっから」
八「タカちゃん！！！！お世話になりました！！！」
貴方まで八戒を止めないのね。事情を汲んでなのか…、いなくても変わらない…なんてことはないでしょうけど。
三「は？何言ってんだ？俺は認めねぇよ」
きっとこの瞬間、ここにいた全員が驚いただろう。
三「大寿に会わせろ！」
流石隊長、八戒がこの人を尊敬するのも納得がいく。
「集会はこれで終わり？結局、黒龍とは揉めないのね？」
マ「向こうがやる気なら全面戦争だ」
「そう、決まったらすぐに連絡して頂戴」
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作者名：suffron* | 作成日時：2022年10月6日 16時
