７２．今も未来も ページ25
花桐SIDE
黒龍が帰った後…、
八「オレ…黒龍でやることがあるんだ」
「やること…？」
八「あぁ…、絶対に成功させる。だから東卍を裏切るためにってわけじゃないのはわかってほしい」
やること…、というかやらなければならないことね。家族問題について考えることはもう二度とないけど。八戒も色々悩んでいることがあるだろうから私たちにそれを止める権利はない。
八「じゃあな」
八戒と柚葉は自分たちの家に入っていった。
武「Aさん、この後時間ありますか？」
「あるけど…、二人で話したいこと？」
武「はい」
…未来のことね。
「わかったわ。三人共先に帰っていいよ、後紫苑はヒナちゃんを家までしっかり送り届けること」
紫「りょーかい」
武道と二人きりで近くの波止場まで歩き、そこで武道はぽつぽつと話し始めた。
武「俺…現代に戻ったんです」
「やっぱり」
武「気づいてたんすか！？」
だって黒龍に初めて会ったはずなのにあんな深刻そうな顔してるんだもの、気づくわよ…。
「私はいた？」
武「はい…。でも…未来のAさんは羅賦良簾のみんなと違う場所にいました。それに…」
武道は言うのを躊躇っている、私にとって悪い情報なのね。
「気にしなくていいわ。言って」
武「あの５人は…すでに死んでました」
「…ッ！」
私は無意識に顔を歪めてしまったと思う。
武「未来のAさんが教えてくれたんです。過去に戻ってちゃんと救ってほしいからって」
…流石、私。しっかり武道のタイムリープのことを未来でも覚えていたのね。
武「現代に戻ったらAさんだけが東卍にいて驚いた…、でもその理由は」
「あの子たちのためじゃないの？あの子たちが悪に手を染める前にそれを阻止しようとした」
武「なんでわかるんすか！？」
「私だもの」
今の私も大人の私も大して思考は変わらないのね。未来の東卍が一体何をしているのか具体的にはわからないけど中々惨いことやってると思う。殺人も○春も、強請りも、そこら辺の犯罪ならお手の物でしょう。
「未来の私は元気そうだった？」
武「今以上に綺麗でした」
「ふふっ、さっきの言葉で別に気分なんて悪くしてないわよ？お世辞言われても何も出せないけど」
武「お世辞じゃないっすよ！今と全然違う雰囲気の人になってて全然わかんなかったです」
今と違う雰囲気。髪色でも変えたのかしら。未来の私…、会えるなら会ってみたい。
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作者名：suffron* | 作成日時：2022年10月6日 16時
