７１．連携と脳筋 ページ24
花桐SIDE
戦い方にテクニックがある訳じゃない、そのガタイの良さを生かした脳筋の戦い方。一瞬でも隙を突ければこっちが断然有利になる。でも…、中々スピードもある。
「椿」
椿「…わかった」
椿が一旦後ろに下がり、クラウチングスタートの姿勢になった。喧嘩中に私が静かな声で名前を呼ぶのは合わせろと言う意味を持つ。
成功するかはわからない、なんせ体格が違いすぎるから椿が捕まってしまうと終わり。
頑張って…。
「…行け」
大「…！！」
椿が大寿にタックルを仕掛け、怯ませる。別に転ばせるとかはしなくていい、猫騙しのような効果さえあれば十分だわ。
「(足絡み)」
私は大寿の股関節を狙って柔道の技をかけた、本来は禁止技らしいけど…。
このまま締め技に持ち込んで落とす。
「(胴締め)」
骨から内臓まで衝撃が走るように足に思いきり力を込めた。苦しそうな表情ね、このまま落ちてくれたらいいのに。
「ッ…！？」
関節技からの締め技なのに…、なんで動けるの…。さっき関節圧して外してあげたよね…？
椿「Aちゃん！」
大寿は私に締められたまま起き上がり、自分の体を私ごと地面に叩きつけた。これこそ脳筋プレイ…。
「イ゛ッ…！」
後頭部を思いきりコンクリートに打ち、脳が揺れる感覚に陥った。
「……、ッ！」
まだ叩きつける気なの！？でもそうはさせないわ。脚を胴から外して首に巻き付ければ…、
「…！カハッ…！」
あの振りはフェイク…、完全に騙されたわ。この状態から腕だけ無理矢理抜けさせて首を掴むなんて…、馬鹿力…。
八「やめてくれ、お願いだ！」
「は…っか…い…？」
大「人にモノを頼むときは交換条件が必要だろ！？ちゃんと見合うモノ差し出せよ」
私の首を絞める手が強くなる。こっちも相当な力で首を絞めてるにも関わらずよ？普通に話してるし…、上手く頸動脈が押せていないのかしら。
八「東卍を…やめるよ。兄貴を支えるために黒龍に入る。だからその人を離せ！交換条件だ！！」
「何…言って…ッ」
八戒の言葉を聞いて大寿は私の首をようやく離した。
「ッ…う…、ゲホッ…」
椿「Aちゃん…！大丈夫？」
「取り敢えず大した怪我はしてないわ…、ちょっと息がしにくいけど」
自分のことなんかどうでもいいけど、八戒の言ったことが気になるわ。私なんかの為にわざわざ黒龍に行くの…？
大「帰るぞ、お前ら」
下「ウッス」
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作者名：suffron* | 作成日時：2022年10月6日 16時
