６９．黒龍のボス ページ22
花桐SIDE
八戒の家に向かっている時、私は初めて知ったことがあった。それは八戒が女の子が駄目だということ。さっき喋ってくれたような気もするけど八戒に向かって話しかけていたわけじゃなかったから大丈夫だったのかしら？ヒナちゃんのことはガン無視状態だった。
八戒の家は仰天してしまうほど大きかった…、って言う暇はないわね…。
「黒龍…？」
九「これはこれは“若”じゃねぇかよ！！」
九井一、お金を作る天才だって噂を聞いたことがある。そして…九井の片割れの様な存在である、乾青宗…。確か乾の方は八代目の時にもいたはず…。八代目の総長は…誰だったかしら…。
…！武道がここにいたらまずいんじゃ…。東卍の人間が黒龍のシマにいるなんて…、自ら死にに行っているようなもの。
九「ここら一帯はオレら黒龍の縄張りだ。この辺でのさばってる他チームの奴がいたら殺せってボスに言われてる」
１０代目の総長の名前は知らない…。でも…、八戒のことを若と言っている時点で八戒の家族であることはわかったわ…。
九「これがどういうことかわかるよなぁ？“死ね”ってこと！！！」
乾「やっちまえ、テメェら」
暴力を売りにした不良グループ…、もはや不良という概念を超えている。女にだって容赦は無し、ヒナちゃんと柚葉ちゃんを守らないと。
八戒が一度口で止めようとしたけど、黒龍の下の子たちは一切聞く耳を持たない。口の次は暴力。八戒は一発で落とした。
八「巻き込んで悪かったな、みんな。こいつらのボスは柴大寿」
大寿…ね、覚えたわ…。どうやら今その人はコンビニにいるらしい、八戒が呆れて悪態をついている。まぁ…つきたくなる気持ちもわからなくはない。散々帰って来ないくせにこういう肝心な時に限って…ってね。
乾「オイ、調子乗ってんじゃねぇぞ。テメェ」
九井よりも乾の方が暴力的で感情的ね、九井の方が冷静さがまだある。
「ん？…んん？」
え…、えぇぇぇ！！柚葉ちゃんが…乾に一発蹴りを…食らわせた。油断していたからいいものが入ったけど…、真面にやり合ったら絶対勝てないぐらい。命知らずな行動は出来るだけ避けてほしいんだけどな…。
柚「花垣！ここはアタシたちに任せて逃げな！ヒナちゃんを守れよ！」
武「ヒナ、行こう！」
「武道、ヒナちゃん！しゃがんで！」
目の前から突っ込んでくる巨体を燕返しでひっくり返し、膝を顔面に入れた。
乾「ボス！」
え…、この人がボスの柴大寿！？
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作者名：suffron* | 作成日時：2022年10月6日 16時
