６２．仲間の粛清 ページ15
花桐SIDE ※６年前
私はいつも通り仕事をしていた。仕事という名の人殺しね…。
でも…今日はいつもと違ったことが起きた。紫苑に６年ぶりに会ったんだ。
華「Aッ…、助けて…くれ…」
「え…？…あ…、紫…苑…？」
私の目の前にいるのは私の知ってる紫苑じゃなかった。お腹には銃弾の痕があって、背中にはナイフか何かで切りつけられた跡があった。私は瞬時に東卍の奴らが襲ったんだって理解した。こんな殺し方するのは東卍の奴らしかいないから。
華「急いで…、東卍から抜けろ…。あいつらは…６年前の約束を破った…」
「…ッ…」
私はどうしたらいいのかわからなかった。助けるべきなんだけど…体が動かない。
稀「殺せ」
銃声音…。
華「ッ…！！！」
紫苑が私の方に倒れ掛かってきた、体に力が一切入っていないのか全体重が私にかかっている。
「紫苑…？…紫苑、…紫苑！！」
華「…最期に…Aちゃんの顔が見られて…良かった…な。…あの世でも…愛してるから…」
紫苑は死んだ。
何度も人は殺してきているから死体を見るのは慣れている。本当に…呆気なく死んでしまうもの。
紫苑が死んでから数週間後に、焼死体と変死体が私の元に送られてきた。変死体は冷凍されて発砲スチロールの箱に、焼死体は段ボールに入れられていた。
開けた瞬間私は声にならない叫び声をあげた。焼死体も変死体も慣れてるけど、それが元仲間のものだったら話は別になる。
「すいちゃん…、さっちゃん…」
私は濁った灰色の様な気持ち悪い感情に押しつぶされそうになって吐いた。口から血も沢山出た、喉が枯れて声が出なくなるまで出して…、そして気を失った。
今度は…１週間後ぐらいだったかな…。
桔梗の訃報を聞いた。四肢を切断されて首にはナイフが貫通した痕、さらには前頭葉にも同様の傷があった。直接は見てないけど写真を見せられた。
これで…後残っているのは椿しかいない。どうか…逃げて…、外国にでも…。
でもそんな願いは届くはずがない。
乾「おい、花桐」
「…何の用？」
乾「コイツって男？」
椿「…ッ…！？A…ちゃ…ん」
椿が他の女の子たちと一緒に捕まっていた。昔から中性的な見た目ではあったけど…、大人になってもその姿は変わっていなかった…。そのせいで…、
九「何だ、花桐の元仲間か」
「解放して頂戴、その子は女じゃないわ」
乾「どうする、ココ」
九「そうだなぁ…」
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作者名：suffron* | 作成日時：2022年10月6日 16時
