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絡繰SIDE
悠仁に殴りかかった呪霊を急いで蹴り飛ばしたが、悠仁はあいつの呪力によって右手の指を削られてしまった。マズいなぁ…、さっさと回復してあげないと。
…あ…、野薔薇が繋がった。恵が救助に成功したんだ、なら向こうは…もう安心だな。ここには呪霊がコイツしかいない。
「ちょっ…おい…!」
なーんで、勝手にあいつに攻撃しようとするかなぁ?止められるに決まっているだろ。
『アオォォォォ―――ンン』
玉犬の鳴き声…?脱出の合図か…、野薔薇は伊地知の車に乗って急いで家入の元に届けられる。ということは、俺たちもここから出た方がいいな。恵が外で待ってる。
「つくづく忌々しい小僧だ」
「あ?…って、宿儺!何で?」
「知らん、小僧に聞け」
宿儺は俺にそう言い捨てると呪霊の方に歩いて行った。殺すのか?殺してくれるなら楽なんだけど、絶対その後俺も殺されるよね〜。まだ一本だし勝てるだろうけど。
「あぁー…」
あの呪霊コテンパンにされてる…可哀そうに。じゃあ、俺は普通に生得領域から出るとするか。あ、でも…もし悠仁が宿儺に乗っ取られた場合を考えたらここに残っていた方がいいな。…面倒だ。
「いい機会だ、教えてやろう。本物の呪術というものを。“領域展開”」
え゛…。俺やっぱりさっさと逃げた方が良かった?
…はぁ〜、仕方ない。
「“伏魔御廚子”」
「シン・影流 簡易領域…」
俺は腰に差していた刀を取った。
「“夕月”」
抜刀では防げない、だからこれで何とか攻撃を防いだ。それでも防ぎきれなかった攻撃は致命傷にならない程度に受けた。
「痛た…」
浅いけど切り傷だらけだ…、全体が血で塗れちゃってるなぁ。全く…こっちの身にもなれって、…なるわけないか、呪霊だものな。
「終わったぞ!!不愉快だ!!代わるのならさっさと代われ!!」
フツーに指取ってくのやめてもらっても?
「…小僧?」
「戻らない…?でも…乗っ取られている訳ではない。…なら、ただ中で気を失っているだけ?」
「ケヒッ…!」
あぁ〜あ、やっぱり戦わなきゃいけないのかぁ。殺すのは面倒だから半殺しぐらいまで痛めつけて後五条に渡そうかな。殺すだけなら家入とかでもできそうだけど。
「宿儺」
「何だ」
「ちょっと…遊ぶかい?俺と」
「…いいだろう。だが、遊ぶだけではつまらない」
生得領域が解け、遠くに恵の姿が見えた。…巻き込みたくはない。
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suffron*(プロフ) - 紫さん» わぁ〜!ありがとうございます! (2022年4月30日 0時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - 好きです!更新頑張ってください (2022年4月29日 23時) (レス) @page4 id: 45b1199f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年4月29日 15時