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絡繰SIDE
「虎杖を人質にする」
「はー!?」
こいつ…、悠仁の心臓抜き取ってさらに駄目押しだって言いながら指食べたんだけど。恵も遠くでびっくりしてるよ。
「折角外に出たんだ、広く使おう」
これはこれは…、恵には帰ってもらわないといけないねぇ。俺の術式あまり見られたくないし…。え、なんで?ダサいからだよ!
「先生!!」
「ダーっ!こっちくんなー!」
宿儺は俺を無視して恵の方に直進していった。ほーら見ろ、宿儺は俺なんかより恵の方が興味津々なんだよ。十種影法術は禪院家の相伝術式だからね、昔からあるものなんだ。宿儺だってその術式を持つ呪術師と戦ったことがある。
「(“鵺”)」
一旦サポートに回ろう、恵なら悠仁を呼び戻せるかもしれねーし?
「これ以上怪我をさせるわけにはいかないからね〜」
宿儺の攻撃は全て俺が受け止める。
「“大蛇”」
大蛇が宿儺を捕まえ、縛り上げた。
「畳みかけろ!!」
…駄目だ、破壊される。
「…恵!少しだけ耐えろ!」
「ッハ…!」
「言ったろう?広く使おう」
宿儺が恵を捕まえ空中に投げる。俺はその隙に悠仁の心臓を取りに行った、さっき無造作に投げられていたからな。恵に気を取られているならこっちへの危機感が減る。
絶対に…死なせない。
「…恵、お疲れ様。鵺も解きな、破壊される前にね。後…眠って」
「はい…?」
「…眠れ、恵」
俺は呪言を使えない。でも、術式の中に相手を眠らせられるものがある。無理やりだからあまり使いたくないけどな。
「一応さ、その体の持ち主も恵も俺の大切な生徒なわけ。…だから、傷つけた罪ぐらいは償ってもらうよ」
「やれるもんならやってみろ、餓鬼が」
俺、餓鬼って年じゃないんだけどなぁ…。
「まぁいいや…。…後悔するなよ?宿儺」
俺は首に巻き付けていたチョーカーを外した。首には一本切り傷が残っている。
これが…縛りの解放。
「始めよう。大きな大きな…人形劇を」
俺は動物の形をした呪骸たちを学長の元に戻し、新たな人型の呪骸を取り出した。
「…まだこっちの術式は使わない。代わりにこのちょっと特殊な人形を使って戦う」
これは術式開示じゃない。ただ、人型の呪骸に呪力を込めるだけ。呪骸だから呪力を込めれば込めるほど強くなる。
これは、俺の家族だよ。
「…っ!」
「よそ見は禁物。ほら…こっちだよ?宿儺」
「忌々しい人間だ…」
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suffron*(プロフ) - 紫さん» わぁ〜!ありがとうございます! (2022年4月30日 0時) (レス) id: 8634fbdb13 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - 好きです!更新頑張ってください (2022年4月29日 23時) (レス) @page4 id: 45b1199f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:suffron* | 作成日時:2022年4月29日 15時