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ーーーーーーー午後5時56分、執務室前
「冷泉ちゃん、来ないね」
隣にいるヒロがポツリとつぶやいた。
「もう、4分前だよ」
「来るも来ないもあいつの勝手だ。・・・来ないとしたら、それがあいつの出した答えってだけだろ」
あいつーーーー冷泉は、多分国に命を捧げる覚悟がつかないのだろう。そんな奴に来られても迷惑だ。
公安部は、命の危険に晒される場所だ。半生かな覚悟で来ていい所ではない。
だけど、冷泉は優秀な女だ。あのヒロを抑えて二位をキープしていたのだから、それは間違い無い。努力家で強いあいつならきっと公安部に配属されたとしても、なんだかんだでやっていけるのだろう。
冷泉の実力なら公安にふさわしいと思いつつも、なぜか今ここにあいつが居ないことに安心している。
「それに、多分冷泉は公安警察には向いてない」
あいつは、真っ直ぐな人間だ。国家の安全のためならば、違法捜査や汚れ仕事も平気でやる公安は、あいつには酷だろう。
「あははッ」
「何だよ」
急にヒロが笑い出した。そんな笑える様な話はしてない筈だが。
「だって、お前冷泉ちゃんを突き離す様なこと言ってる癖に、スゲー不安そうな顔してんだもん」
「ッ！？」
「冷泉ちゃんにきついこと言うのも、あの子が傷つかない様にだろ。ゼロって冷泉ちゃんのこと気に入らないとか言ってるけど、なんだかんだで仲良いし」
そんな訳ない。冷泉は、男の様に振る舞ったり、過度に強さを求めている節がある。俺は、それが気に食わない。
だから、俺と冷泉が仲良いとかいうことはあり得ない。向こうも俺のことが気に食わない様だしな。
なのに、いつか道場であいつに言われた言葉が頭から離れない。あんな事を言われたのは、生まれて初めてだった。・・・俺を��なんでも出来て当たり前��じゃなくて��頑張り屋��と言ってくれたのは、あいつが初めてだった。
そして、その言葉を言った時の冷泉の柔らかな笑顔が頭にこびり付いている。
いつの間にか、冷泉の存在は俺の中で思っていたよりも大きくなっていた。
俺は・・・冷泉が傷付くのが嫌なのか？
冷泉の存在は俺の中で大きくなっているのに、俺たちの関係をどう呼べばいいのか分からない。
友人とも、ライバルとも言えない。だが、なんだかんだで信頼はしている。
この奇妙な関係の呼び名は分からないが、一つだけ確かなことがある。
「仲が良い感じはしないぞ」
「・・・そうか？」
諸伏が心底不思議そうに言った。
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ひなこ - 39.40話で半生かな覚悟とありますが、生半可な、では無いですか？ (2020年5月8日 9時) (
レス) id: 3ecbb3d6aa (このIDを非表示/違反報告)
彗(プロフ) - めっちゃ面白いです！！！更新待ってます！！ (2020年4月28日 17時) (レス) id: f44faecfaf (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新待ってます頑張ってください！ (2020年4月27日 12時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
天華(プロフ) - 長らく更新停止をしていてすいません。本日更新したので楽しんで頂けると嬉しいです！ (2020年3月22日 18時) (レス) id: fe6169574c (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - とっても面白いです！ゆっくりでいいので更新楽しみに待ってます(^-^) (2020年3月21日 4時) (レス) id: 51e87b9769 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天華 | 作成日時：2019年8月19日 22時
