彼女の涙は不幸の味がした【歌い手】 (ページ20)

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第19話ページ20

主人公サイド

そ「俺の母親が出ていったんだ。」

主「うん。」

そ「元々俺の父親は俺のために尽くしてくれることはなかったし、俺なんて酒を買ってくる召使と暴力のはけ口でしかなかった。」

主「…うん」

そ「お袋そうだった。暴力はなかったけど尽くしてくれることはなかった。そんなお袋が出ていった。
何も残さずに。」

そ「金のない父親は俺に学校を辞めて働けっていってきたんだ。中学生を雇ってくれる所なんてあるわけないのにな。」

主「うん。」

そ「何も分かってない親父に腹が立って始めて抗ったよ。そしたら、この有様さ」

そういって身体中にできた痣と爪を見せてきた

痛々しい傷と痣

これを何年も耐えてきたのだ

私より辛いはず

私、気づけなかった

そ「だから必要な物だけ持って出てきたってわけ。」

今頃血眼で俺のこと探してるはず。と笑って言った

主「…辛かったんだね。」

そ「え？」

そう言って撫でてあげた。

主「私の家…来る？」

そ「は？お前…」

主「だって、家に戻るの？」

そ「それは…」

主「じゃあ決まり！ほら、帰ろう？」

そ「…うん。」

公園を出て歩き始めた。

そ「ありがとう…なんか、ごめんね？」

主「何言ってんの！親友を放っておけるわけないでしょ？」

と、笑って見せた

そ「ははっ！そうだな」

今はこの時間に浸っていたい。

そう考えた
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その時間が目の前の人物によって壊されることも知らずに