貴方しか愛せないから。【ガラテア】 (ページ6)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:10,060 hit

～５～ページ6

.

次の日、

『Hi(やぁ)』

彫「？」

オシャレなリボンが着いている箱を持ちながら、彼は部屋に入ってきた。

不思議そうに見つめていると、彼はクスクスと笑いだした。

『I'll give you(君にあげるよ)』

彫「me?(私に?)」

こくり、と頷いて私に箱を差し出した。

リボンを引っ張って解き、開けてみる。

彫「！！」

そこには、白と青のストライプ柄の可愛い帽子が入っていた。

彫「It's so cute!thank you!(とても可愛いわ!ありがとう)」

『I wanted to see your smile(君の笑顔が見たかったからね)』

小さい頃に絵本で呼んだ王子様みたい。

彫「Do you look good?(似合うかしら)」

『Yeah, it looks great(ああ、とても)』

ぽかぽかと胸の奥が暑くなっていく。

それを隠すように、私は胸にハットを抱いた。

それからは、彼からたくさんの贈り物を貰った。

ある日はサメの歯のネックレス。

ニホンで使われているというセンス。

何年か前にサーカスへ行った時に買ったぬいぐるみ。

とても可愛い子鹿の写真。

そして彼はここへ来る度、英語がとても上手くなっている。

これで、会話が弾むわ！

でも、

彫「Why give me a present?(何故プレゼントをくれるの?)」

こんなに贈り物を貰っては申し訳ないわ。

騙されているのか、とか少し相手を疑ってしまう。

『I don't want to stress you(ストレスを与えたくないんだ)』

彫「！」

『Besides, I'm especially close to you(それに、君とは特別仲が良いからね)』

.

今までの医者とは大違いだ。

この人は"私自身"を見てくれている。

彫「あり、がと」

『ふふ、いいんだよ』

君が幸せそうにしているのが、何より嬉しいからね

彫「A、サン…」

『！なんだい、ガラテアちゃん』

優しく頭を撫でてくれる。

.

私が彼に恋するまで、そう長くなかった。